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侍ジャパン

開催不要を唱える“米国中心主義”に異論! 来日した米実況が世界大会の意義を主張「MLBは唯一無二ではない」【WBC】

THE DIGEST編集部

2023.03.18

大きな興奮を列島に提供している侍ジャパンとWBC。その熱狂ぶりは、野球の本場でも注目を集めている。(C)Getty Images

大きな興奮を列島に提供している侍ジャパンとWBC。その熱狂ぶりは、野球の本場でも注目を集めている。(C)Getty Images

 3月9日(大会は8日から)に東京ドームで始まったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、連日のように列島を熱狂させている。
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 3月16日に行なわれたイタリア代表との準々決勝には、日本代表戦士たちの勇姿を一目見ようと4万1723人が球場に集結。さらに平均視聴率は同大会史上最高の48%を記録し、国内における注目度の高さをあらためて感じさせた。

 日本では沸きに沸いているWBC。一方で“野球の本場”アメリカでは、ある議論が巻き起こっている。それは大会そのものが球界において不必要なのではないかというものだ。

 事の発端となったのは、現地3月15日にマイアミで行なわれた1次ラウンド・プールD第4戦でプエルトリコ代表がドミニカ共和国代表を5対3で打ち破った際の出来事だ。

 勝者が準々決勝に勝ち上がるという大一番をモノにしたプエルトリコは、試合終了直後にマウンド付近で歓喜の輪を作った。しかし、中心で喜んでいた守護神のエドウィン・ディアスが突如として転倒。自力で立ち上がれずに球場を去った28歳は、右膝の膝蓋腱断裂と判明。今季絶望となる全治8か月の大怪我を負ってしまったのである。

 これを受けてWBCの開催そのものを疑問視する声が噴出。ニューヨークのラジオ局『KFC』のコメンテーターであるケビン・クランシー氏は「WBCを擁護している奴らはマヌケだ。酷い大会で、まさに今晩起こったようなこと(ディアスの負傷)に対して、選手たちがリスクを負う必要は全くない」とキッパリと言ってのけた。
 
 こうした批判は大会創設時からあったのは確か。だが、日本や中南米、それからチェコなどのヨーロッパ勢での反響を見るに、2006年の第1回大会からWBCが成熟を深めてきているのも間違いない。

 そんな一部で起きた球界の“アメリカ中心主義”に異を唱える識者もいる。今大会を追っている米スポーツ専門局『FOX Sports』の中継において、1次リーグ・プールBの実況を務めたスティーブン・ネルソン氏は、3月10日に開催された日韓戦で、「メジャーリーグにいる選手たちだけを語るべきじゃない。各国のスターとWBCの伝説となる選手たちについて語るべきだ」と解説。そして、16日には、そう語った真意を自身のツイッターに投稿した。

「私は心の底から思ったんだ。MLBが世界で『唯一無二の存在』と考えられていることは、私も理解している。だが、実際は唯一無二ではない。WBCは、MLBを含めた大小さまざまなリーグから集まった才能を繋ぐものだ。それは『WORLD baseball』という大会名に込められている。ファンはMLBの30チームだけじゃなく、野球への関心を広げられるんだ」

 国内で史上初めて野球が地上波で中継され、高視聴率を叩き出したというチェコをはじめ、今大会は各国で小さくないフィーバーを巻き起こしている。それだけに「WBC不要論」を議論するのではなく、より多くの選手たちが参加できるようにするためには、どうすればいいかの話し合いが白熱するのを願いたい。

構成●THE DIGEST編集部

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