MLB

【DeNA】7試合で5ホーマー!“ハマの大砲” 筒香嘉智が再噴火!「スイング自体が全く変わった」と名伯楽も太鼓判

萩原孝弘

2025.08.28

直近7試合で5本塁打と当たっている筒香。終盤戦のキーマンとなっている。写真:萩原孝弘

☆孤軍奮闘の大砲

 約1か月のファーム調整を終え、8月7日に再昇格を果たした筒香嘉智。昨年古巣に復帰し、ペナントレースではNPBの対応に苦しんだが、ポストシーズンでは22打数6安打、打率.273、ホームラン1、打点6と活躍し「不安なく投手と対戦できる感覚が見えた」と光が射し込んできた。打線の核として期待された今シーズンだったが、バットから快音は聞かれぬ日々。降格前は打率.174まで落ち込み、戦力として機能することは出来なかった。

 
 しかし"ハマの大砲"は蘇った。昇格後は打率.438、ホームラン5、長打率1.375、OPS1.813と自慢の長打力を見せつけている。牧秀悟を欠いていることもあり、得点力不足に悩んでいるチームの現状において、ホームランを連発する姿はまさに孤軍奮闘。

 三浦監督も「いまはゴウに頼っているところがあります」と認め、日本では2019年以来のサードでの起用にも応えるなど、前々から口にする「チームの勝利のため」に邁進している。

☆4番を務めたコーチコンビの見立て

 劇的な良化を見せた要因はどこにあるのか。

 現在筒香が背負う25番の前任者で、現役時代は自主トレも共にした村田修一野手コーチは「いいときはストレートをしっかりと引っ張れる」とフォーシームへの対応が鍵と説く。「インサイドも高めもさばけている。それが出来てくると他のボールにも上手く対応出来てきますね」とストレートが打てることで、以前から得意としている落ち球、曲がり球への対処も可能にしていると分析した。

 結果を出していたときの筒香を知るコーチは「左バッターはボールを内側に引っ張り込める。その時にライトボール方向に強い当たりを打てるように、身体を閉じて引っ張れる打ち方」の理想に近いスイングが出来てきているからこそ、いまの好調につながっていると頷いた。また「追い込まれたあと、グリップエンドに指をかけないでコンパクトに振ろうとしているし。ホームランの時も3−1のスイングと3−2のスイングは多分ですけど握りも違う。その辺も試行錯誤しながら、上手く対応していっているんじゃないですかね」と思考面でのブラッシュアップも関連していると明かした。

 また筒香が新人だったとき二軍監督を務めていた田代富雄野手コーチも「戻ってきたときは速い球への入り方は良くなかったよね。だから変化球への対応も良くなかった。フォーム的にもズレていたし、気持ちの中でもちょっとズレていた。一時期は『エッ』ていう感じのバッティングだったから」とストレートへの課題を隠さない。序盤の不調は「タイミングの取り方とか、本人も工夫してやってたけど、乗れそうで乗れなかったんだよね」と紙一重の部分に手を焼いていたと証言した。

 ここに来ての良化には、苦心の上での「積み重ね」が一番だとしつつ「神宮辺りから良くなってたね」とお盆真っ只中に上昇気配を感じ取ったと回顧。13日の代打での3ランも不思議はなかったと振り返る。そこへ至ったキーは「自分のレベルを上げるために、自分のスイングをより良いものにするためにどうするかっていうことを考えてやってきた結果だよ」といいときに戻すのではなく、進化を求めた部分にフォーカスした。

 その結果「いまいい形になってきたね。スイング自体が全く変わった。ゴウらしいスイングができるようになってきたから、ミスショットも少なくなってきたよね」と微笑む。スイングスピードとインサイド・アウトのフォームを得た25番に「ボールに対しても、ピッチャーの投球に対しての入り方もいいので、見逃し方も随分と良くなってるよ。もう大丈夫です!」と名伯楽は完全復活へ太鼓判を押した。

 "GO NEXT GO"。横浜の地に舞い戻った元キャプテンの再噴火は、胸突き八丁のシーズン終盤に大きな意味を持つ。

取材・文●萩原孝弘

【動画】筒香嘉智が7年ぶりの3試合連続ホームラン!
NEXT
PAGE
【動画】筒香嘉智が7年ぶりの3試合連続ホームラン!