ボルティモア・オリオールズは、３試合連続で“魔法”を発揮できなかった。

　現地９月５日からオリオールズはロサンゼルス・ドジャースと３連戦。初戦は１対１で迎えた９回裏に、21歳の新人捕手サムエル・バサロのサヨナラ本塁打で勝利し、翌日は９回２死までドジャースの先発・山本由伸に無安打と抑え込まれながら、そこから一気に４点を奪って、球団史に残る劇的なサヨナラ勝ちを収めた。

　続く３戦目は、先発の菅野智之がドジャースの大谷翔平に２打席連続となる47号、48号アーチを浴びるなど、オリオールズは計５失点。６回に４番エマヌエル・リベラ、５番アレックス・ジャクソンの連続適時打で２点を返し、７回には１死一、三塁と好機を作ったが、得点を挙げられなかった。２試合続けて劇的シーンを生み出した９回裏は、２死から８番ホルヘ・マテオが安打を放つも、３試合連続のサヨナラ勝ちは達成できなかった。

　ボルティモア地元メディア『Baltimore Banner』は、「大谷翔平が２本の本塁打を放ち、オリオールズの逆転劇は幕を閉じた」と題した記事でドジャース戦の３戦目を報道。「球団史上最高の逆転勝利を飾った翌日、オリオールズは現実に引き戻された」と伝えた。

「ドジャースとの２戦目は、ノーヒットノーランまであとひとりと追い込まれながら、４点を奪って奇跡のサヨナラ勝ち。しかし、そんなオリオールズの魔法は消え去った。ただ、ドジャースに２勝１敗と勝ち越したのは明るい材料。もっと悪い成績で終わる可能性だってあった」
  　また地域放送局『MASN Sports』のロシュ・クバトコ記者も、「オリオールズは魔法を使い果たした」として３試合目の黒星に言及。「チームが乗り越えられる逆境には限界がある」と自力の差を痛感していた。

　８月７日時点でオリオールズは66勝77敗。ア・リーグ東地区で最下位に沈むなか、ドジャースとの３連戦に２勝。とりわけ無安打に抑え込まれていた２戦目の９回２死からの大逆転劇は、各メディアがそろって報じたように魔法のようだった。

構成●THE DIGEST編集部

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