ロサンゼルス・ドジャースは現地９月30日（日本時間10月１日）から始まるワイルドカードシリーズでシンシナティ・レッズと本拠地で対戦する。今季の対戦成績は５勝１敗と大きく勝ち越しており、下馬評ではドジャースが有利だ。しかし専門メディアからは「悪夢のマッチアップになるかもしれない」と、警戒する声がささやかれている。

　レギュラーシーズン最終戦でニューヨーク・メッツとの熾烈なワイルドカード争いを制したレッズ。最も勢いあるチームに対して、デーブ・ロバーツ監督に慢心はない。「試合は机上の空論ではない。レッズは投手力があり、運動能力も高い。２度の優勝経験を持つ素晴らしい監督がいる。万全の準備を整えなければならない」と地元紙『Los Angeles Times』に語るほど、気を引き締める。
  　ドジャースの情報を日頃から発信する専門メディア『Dodgers Way』は、対戦相手の先発陣をピックアップ。７勝４敗、防御率2.76のハンター・グリーンらにドジャース打線は思いのほか手こずっていると指摘する。本シリーズ先発が予想されるブレイク・スネル、山本由伸、大谷翔平ら先発投手への援護ができなければ、「このシリーズを制するチャンスがなくなる」と、同メディアは警告した。

　また、先述の『Los Angeles Times』は両チームの決定的な違いとして、「クローザーの信頼性」を挙げ「レッズが明確な優位性を持っていることのひとつ」だと指摘。救援陣の全体的な充実度に注目する。

　レッズは今シーズン防御率2.88で32セーブを記録した守護神エミリオ・パガーンを筆頭に、トニー・サティラン、ニック・マルティネスら中継ぎ陣に実力者が揃っている。特に62試合の登板で８勝５敗、23ホールドをマークしたグラハム・アッシュクラフトは大谷にめっぽう強く、９打数０安打１四球と完全に封じ込めている。ゆえに、僅差での接戦になればなるほどレッズ有利だと説く。

　対するドジャースは今シーズン守護神候補として入団したタナー・スコットがセーブ機会を10回失敗しており防御率4.74、23セーブと期待外れな成績に終わったほか、右腕ブレイク・トライネンも防御率5.40と苦戦。絶対的なクローザーが不在であるばかりか、ブルペン全体が安定感に欠けている状況だ。

　ドジャースはブルペン陣の充実度の比較で考えると、序盤からリードを奪う必要性がレッズよりも高い。まずは初戦、相手先発グリーンから先制点を早めに奪えるかがカギとなる。

構成●THE DIGEST編集部

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