現地10月８日（日本時間９日）に行なわれるナ・リーグ地区シリーズ（５戦３勝制）、ロサンゼルス・ドジャース対フィラデルフィア・フィリーズ第３戦に向け、本拠地で２連敗を喫したフィリーズのロブ・トムソン監督に大きなプレッシャーが伸し掛かっている。フィリーズ専門『That Ball's Outta Here』が言及した。

「フィリーズはプレーオフ敗退の瀬戸際に立たされている。こんなことを書くのは早すぎる気もするが、残念ながら現実だ。２敗から逆転するには、残り３試合に全勝する必要がある」

　このように現状を説明した同メディアは、「しかし、初戦と第２戦を観た人なら、３連勝がいかに難しいか理解できるだろう」とトーンを落とした。というのも、フィリーズのトムソン監督が第３戦の先発にアーロン・ノラを指名したからだ。

「フィリーズファンならご存じの通り、ノラは５勝10敗、キャリアワーストの防御率6.01と、最悪のシーズンを過ごした。レンジャー・スアレス（12勝８敗、防御率3.20）がこのシリーズで登板していないことを考えると、ノラの先発は非常にリスクの高い決断と言える。トムソン監督はフィリーズのシーズンと自身の将来の両方を、たまに好投するノラに賭けているように思える。しかし、いまが大博打に出る最適なタイミングなのだろうか」

　トムソン監督はノラの先発を発表した際、「スアレスが後に控える」と発言。「ノラはリリーフとして一度も投げたことがない。どれくらい投げられるかは分からないが、彼を信頼している」と理由を説明した。

「スアレスに何らか問題が起きているのでは？　と疑問に思うかもしれない。スアレスは９月27日のミネソタ・ツインズ戦で左内腿に打球を受けた。しかし、トムソン監督は第３戦でスアレスがノラの後を継ぐと発言。スアレスの状態は、実際に見てみなければわからない」

  　このように続けた同メディアは、このままフィリーズがドジャースに敗れるようなら、トムソン監督の去就が不透明になるとも記載。トムソン監督とフィリーズの契約は2026年までだが、その１年前の今オフにトムソン監督が“クビ”になる可能性を示唆した。

「22年のワールドシリーズ進出後、３年連続プレーオフ敗退という窮地に立っている。第３戦の先発にノラを指名した選択は、トムソン監督のフィリーズでの将来に大きな影響を与えるだろう。この作戦が成功し、フィリーズが１～２試合、あるいは３試合とシーズンを延ばせるようなら、空気感はトムソン有利に変わるだろう。ただ、そうならなければ、フィリーズのチーム、監督も含めて終わりを迎えるかもしれない」

　ドジャース戦前にはフィリーズ優位の声もあったなか、蓋を開けてみれば２連敗。今シーズンのナ・リーグ最強チームとも称されるフィリーズが、敵地ドジャー・スタジアムでの第３戦でどのような結果を出すのか。

構成●THE DIGEST編集部

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