悲痛な最後だ。

　現地10月９日、ロサンゼルス・ドジャースは本拠地でフィラデルフィア・フィリーズとの地区シリーズ第４戦を戦い、延長11回に２対１でサヨナラ勝ち。ナ・リーグ優勝決定シリーズ進出（NLCS）を決めた。最後は相手投手のまさかの悪送球により衝撃的な幕切れに終わった。

　勝敗を決する痛恨の失策が胸を締め付けられる。１対１の同点で迎えた延長11回裏、フィリーズ４番手ヘスス・ルサルドが２死一、三塁にピンチを招くと、右腕オリオン・カーケリングが登板する。キケ・ヘルナンデスを四球で歩かせて２死満塁に広がり、今ポストシーズンでわずか１安打のアンディ・パヘスを迎える。

　１ストライクからカーケリングは、内角に球威抜群のシンカーで詰まらせ打球はボテボテの投ゴロに。しかし打球を取り損なうと、慌てて本塁へ送球するが大きくそれてしまい、まさかのサヨナラ負けを喫した。

　このとき捕手のJ.T.リアルミュートは一塁を指示しており、送球していれば余裕を持ってアウトになっていたが、24歳の若き右腕はボールを弾いたことで完全に焦ってしまったようだ。

　自らの悪送球での決着にカーケリングは両膝に手をつき茫然自失。J.T.リアルミュートに声をかけてもらうが、ベンチでしばらく動けずうなだれた。
  　誰も予想できない劇的な幕切れに現地実況は「Oh my goodness!!（うわあ！なんてことだ）」と絶叫。米メディア『Foul Territory』も「フィラデルフィア・フィリーズにとってシーズンの悲痛な終わり」と伝えた。

　同じくドジャース専門メディア『Dodgers Nation』のノア・カムラス記者はサヨナラのシーンを添えて「このプレーがドジャースをNLCSへ導いた。フィリーズにとっては、まさに残酷な結末だった」と敵軍の番記者ですら同情を寄せた。

　フィリーズは今季96勝66敗でナ・リーグ東地区を優勝。メジャーの全地区を通じて優勝一番乗りを果たす圧倒的な強さでリーグの勝率はドジャースより上回っていた。地区シリーズは本拠地で開幕したが、まさかの２連敗スタート。前日はカイル・シュワーバーのホームラン２発で打線が息を吹き返したが、この日はドジャース先発タイラー・グラスノーに６回１安打、救援の佐々木朗希には３イニング無安打と１点しか奪えなかった。
　
構成●THE DIGEST編集部

【動画】「なんてことだ！」現地実況も騒然…衝撃的なサヨナラ負けの瞬間

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