MLB

「両足をへし折ってやる!」サヨナラ絶好機で本塁アウトのBジェイズ野手に“卑劣な脅迫”。SNS上では「狂ってる!」「馬鹿げた言いがかりだ」など非難殺到

THE DIGEST編集部

2025.11.03

ギリギリのタイミングで本塁アウトとなるカイナー=ファレファ(奥)。試合後に「リードは指示通りだった」と振り返った。(C)Getty Images

 最後までドラマチックな歴史的激闘だった。

 現地11月1日、カナダ・トロントで開催されたワールドシリーズ第7戦で、ロサンゼルス・ドジャースはトロント・ブルージェイズと対戦。4対4のまま延長戦にもつれ込んだ大一番は、11回表にドジャースのウィル・スミスが値千金のソロ本塁打を放って勝ち越し。9回途中から登板していた山本由伸が11回裏を抑え切り、ワールドシリーズ連覇を達成した。ドジャースにとっては初、MLBでは25年ぶりとなる快挙だ。シリーズMVPには3勝を挙げた山本が選ばれた。

 あと一歩のところで、32年ぶりの世界制覇を逃したのがブルージェイズ。本拠地ロジャーズ・センターは静寂と溜め息に包まれた。9回表にミゲル・ロハスの一発を浴びてまさかの同点に追いつかれ、その裏の攻撃でもビッグチャンスを掴んだが、サヨナラ勝ちを手繰り寄せられなかった。

 9回裏、1死満塁の場面で、ドールトン・バーショはセカンドゴロに倒れる。好捕した二塁手のロハスはすばやく本塁へ送球。三塁ランナーのアイザイア・カイナー=ファレファは猛然とホームを狙ったが、わずかの差でフォースアウトとなった。この走塁に関して、カイナー=ファレファの元には心ないファンからの誹謗中傷コメントが寄せられたという。

 地元放送局『Sportsnet』のベン・ニコルソン=スミス記者が自身のXを更新して説明。「第7戦のあと、アイザイア・カイナー=ファレファはブルージェイズの敗戦の責任を負わされたり、『両足をへし折ってやる』と脅されたりした」と明かし、「彼はなぜ三塁でより大きなリードを取らずに本塁を狙いに行ったのか、その理由について自分の考えを語っている」と続けた。
 
 30歳のユーティリティ野手はそのなかで、「(コーチたちが)ベースの近くにいろと言っていたんだ。あの場面で強いライナーが飛んできてダブルプレーになるのを避けたいからね。バーショは本当にボールを強く打つ。(三塁手の)マンシーはすぐそこにいたし、(捕手の)スミスの牽制も警戒していた。ダブルオフにはなれない。だから小さいリードを取れと言われて、その通りにしたんだ」と振り返り、「もちろんタフなプレーだった。相手が完璧にやり遂げた。あの位置から取れるなかで一番いいセカンダリーリードを取ったつもりだったけど、上手く行かなかったんだ」と話した。

 投稿のコメント欄には、カイナー=ファレファを擁護する声が多く寄せられ、非礼な批判コメントを浴びせた者たちへの非難が殺到した。「脅しなんて狂ってるよ」「馬鹿げた言いがかりだ」「あり得ない中傷」「こんなの本当のファンじゃないな」「個人攻撃を許すな!」「敗因はこれだけじゃないだろ?」「彼はなんにも悪くないじゃないか」「指示通りにプレーをしただけだよ」などなど、反響が後を絶たない。

構成●THE DIGEST編集部
NEXT
PAGE
【動画】リードが小さかった? サヨナラ絶好機でロハスに刺されて本塁アウトとなるカイナー=ファレファ