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「やったぞ!」「ただの傍観者じゃなかった」最後の最後でWS初出場を飾ったキム・ヘソンに韓国メディアは歓喜&安堵!本人は「ヤマモトがまじで凄かった…」と感服

THE DIGEST編集部

2025.11.03

入団当初から仲が良かった山本(左)と記念撮影するキム・ヘソン(右)。2年目となる来季でのさらなる飛躍を誓った。(C)Getty Images

 現地11月1日、ロサンゼルス・ドジャースはカナダ・トロントで開催されたワールドシリーズ第7戦でトロント・ブルージェイズと対戦。延長11回に及んだ激闘を5対4で制し、ワールドシリーズ2連覇を達成した。11回表にウィル・スミスが値千金のソロ本塁打を放って勝ち越すと、9回途中から登板していた山本由伸が11回裏を抑え切って勝負あり。ワールドシリーズ連覇はドジャースにとっては初で、メジャーでは25年ぶりの快挙となった。

 そんな大一番を違った視点で捉え、歓喜と安堵の声を挙げたのが韓国メディアだった。ドジャースのユーティリティ野手、キム・ヘソンが最後の最後でワールドシリーズ初出場を果たしたからだ。ポストシーズンはこれまで全4シリーズすべてでロースター入りを果たしてきたが、出場したのはフィラデルフィア・フィリーズとの地区シリーズ第5戦でピンチランナーを務めた一度きりだった。その瞬間は11回裏に訪れる。キム・ヘソンは二塁手のミゲル・ロハスに代わってフィールドへ。バント処理した山本の送球を一塁で受けたのが唯一のプレー機会だったが、本人にとっても韓国メディアにとっても待ちわびた場面だった。

 キム・ヘソンは試合後に『MKスポーツ』の取材に応え、「優勝できて本当に嬉しいし、幸せです。緊張? いや、むしろベンチで座って見ているほうが緊張していたかも。実際にフィールドに出たときは落ち着いていました」と笑顔でコメント。遊撃手のムーキー・ベッツがショートゴロを捌いてダブルプレーを完遂してゲームセット。そばで観ていたキム・ヘソンは「スリリングで楽しかったですね。ムーキーとサインが合わなかったわけではない。彼のほうが(二塁)ベースに近かった。直接ベースを踏むとコールしてくれたんです」と振り返った。
 
 さらに浮き沈みの激しかったルーキーイヤーを回顧し、「本当に意味のある一年だった。自分がここに来たときに掲げた目標を達成できて嬉しいし、来年、再来年と契約期間の中でやるべきことをしっかり果たすために、来季はもっと頑張りたい」と意気込んだ。そして「初優勝なので本当に嬉しい。ヤマモトがまじですごかった。同じ野球選手として心から尊敬している」と話し、「素晴らしいチーム。なぜこのチームが"世界最高のチーム"なのかを実感した」と興奮気味に胸中を明かした。

 ファンへの感謝も忘れない。「僕が試合に出ていないときも、一生懸命応援してくださって本当に感謝しています。いつ出てもいいように準備しながら、ファンの皆さんの応援を感じて耐えることができました。一年間ありがとうございました」と謝意を示した。

 そんなキム・ヘソンに対して全国紙『スポーツ朝鮮』は「ついにやったぞ! まさに最後の滑り込みだったが、キム・ヘソンはワールドシリーズに足跡を残したのだ」と報道。『OSEN』は「もはや諦めかけていたが、彼はただの傍観者ではなかった。ドラマチックなワールドシリーズデビューを遂げ、韓国人選手として二人目となる世界一に輝いたのだ」と記し、「キム・ビョンヒョンはアリゾナ・ダイヤモンドバックス時代の2001年とボストン・レッドソックス時代の04年に優勝しているが、彼は投手だった。キム・ヘソンは韓国人野手として初めて優勝リングをゲットするのだ」と書き添えた。

構成●THE DIGEST編集部