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「義務感は立派だが…」千賀滉大のメッツ残留希望報道に「あまり意味はない」NYメディアは移籍推奨「トレードに出す理由が多すぎる」

THE DIGEST編集部

2025.12.01

トレード移籍が有力視されているメッツの千賀。(C)Getty Images

 オフシーズンに入って退団報道が出ていた千賀滉大が、ニューヨーク・メッツ残留を希望したと米メディア『The Athletic』のウィル・サモン記者が報じた。

「もし、千賀が自らの将来を独断で決められるのなら(実際はそうではないが)、メッツの投手としてプレーし続けるだろう。トレード市場で人気の先発右腕は最近、球団に対して他チームに移籍するより、メッツに残りたいと伝えたと関係者が明らかにした」

 サモン記者は、「千賀はふたたびメッツの先発ローテーションでトップクラスの地位を確立したいと考えているようだ。怪我の影響で24年は1試合しか登板できず、球団とファンへの責任を感じている。しかし、そうした感情は善意から出たのだろうが、必ずしも自身の将来を変えるものではない」とし、メッツ退団は既定路線だと強調した。

「メッツは依然として、千賀をトレードに出す可能性がある。『The Athletic』は11月初旬、複数球団が千賀の獲得を望んでいると報じた。千賀には10球団とのトレードを阻止できるトレード拒否条項があるが、それでも、32歳の千賀を魅力的な低価格トレード候補と見なす球団がいくつかある」

 千賀の契約は今後2年で計2800万ドル(約43億円)で、28年までの球団オプションが付いている。メッツ1年目の23年には12勝7敗、防御率2.98と大活躍し、新人王投票2位、サイ・ヤング賞で7位となった。24年は一転してレギュラーシーズンわずか1試合の登板に終わった。右肩の不調と左ふくらはぎの負傷が原因だった。25年は22度の先発登板で7勝6敗、防御率3.02。6月に右太ももを負傷して負傷者リストに入った。

「千賀の26年のパフォーマンスを予測するのは難しく、メッツは先発ローテーションのトップに入る投手を探している。千賀にその期待を寄せてもいいのだが、しかし、デビッド・スターンズGMはそう思っていない。"26年の千賀に30登板を期待するのは誤った考えだ"と語っていた」

 
 続けてサモン記者は、千賀を除いた場合のメッツの先発ローテーションを記載。「ノーラン・マクリーン、クレイ・ホームズ、ショーン・マナエア、デビッド・ピーターソン。そのほかにも、ブランドン・スプロート、ジョナ・トン、クリスチャン・スコットといった興味深い投手も名を連ねている」とし、さらに新戦力の補強も踏まえ、「メッツの千賀への依存度は低くなる」と見解を示した。

 メッツ専門メディア『Rising Apple』もサモン記者の記事を引用したうえで、「千賀はトレード移籍したくないようだが、残念ながら彼をトレードに出す理由が多すぎる」と報道。「契約をまっとうしたい義務感から、残留の意思を表わすのは立派だ。ただ、それにあまり意味はない。26年のチーム計画から千賀を外すのは、球団を立て直すのに最も簡単な方法だろう。トレード市場で十分なリターンが得られるからだ。年俸と2年間の契約保証を考えると、メッツにとって最も魅力的なトレード候補のひとりと言える」と伝えた。

「千賀を出すことが、ロースターに空きを作るのに最も現実的な方法だ。活用できる資金を削減でき、実績のあるエース級を補強できる可能性が高まる。千賀は23年にエースの称号を得たものの、その後は失った。トレード対象になったのは、怪我から復帰した後の内容が影響している。来季の復活に賭ける手はメッツにとって損ではないが、現状の先発陣で新シーズンを迎えることはできない。そうなれば、フロントの失敗となる」

 トレード移籍が有力視されている千賀の去就は、どのような結末を迎えるのか。

構成●THE DIGEST編集部

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