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MLB

“終戦”濃厚のブルージェイズがトレード・デッドラインで絶好調のクローザー放出を検討する理由<SLUGGER>

久保田市郎(SLUGGER元編集長)

2026.07.30

抜群の安定感を誇る豪腕クローザー放出は果たして成るのか…… ⒞GETTY IMAGES

抜群の安定感を誇る豪腕クローザー放出は果たして成るのか…… ⒞GETTY IMAGES

 ワールドシリーズ制覇まであと2アウトと迫り、カナダ中を熱狂させた昨年秋の快進撃から1年もしないうちに、ブルージェイズは厳しい現実に直面している。

 シーズンのちょうど3分の2を消化した時点で、49勝59敗でアメリカン・リーグ東地区最下位。首位レイズからは14ゲーム、ワイルドカード圏内からも5.5ゲーム離されている。「5.5ゲームなら何とかなる」と思うファンもいるかもしれないが、得失点差-63はリーグワースト4位。アメリカのデータサイト「FanGraphs」によれば、プレーオフ進出確率はわずか6.0%で、率直に言って今後の浮上を期待させる要素は皆無に等しい。

 こうなると、8月3日のトレード・デッドラインでは「買い手」ではなく「売り手」に回らざるを得ないだろう、というのが大方の見方だ。

 といっても、昨年大型契約を交わしたばかりの主砲ブラディミール・ゲレーロJr.や新加入組の岡本和真、ディラン・シースを売りに出すことはまず考えられない。ルーキーのトレイ・イェサベージ、ブランドン・バレンズエラも同様だ。今季は白旗を掲げるとしても、来季は戦力を整え直して再び頂点に挑戦するつもりのはずで、そのためにもコア戦力は残しておかなければならない。
 
 有力放出候補としてまず挙げられるのはエースのケビン・ゴーズマン、元サイ・ヤング賞投手のシェーン・ビーバー、昨季華々しく復活を遂げたDHのジョージ・スプリンガー、好守を誇るセンターのドールトン・バーショら、今オフにFAとなる選手たちだ。だが、いずれも今季の成績が振るわず、大した見返りは期待できない。

 そんな中で注目されるのがルイ・バーランドだ。昨季のデッドライン・トレードで加入後、フル回転でチームを支えた豪腕リリーバーは今季も開幕から絶好調。シーズン途中からジェフ・ホフマンに代わってクローザーに昇格し、ここまで22セーブ機会すべてに成功、防御率1.02と抜群の安定感を披露してオールスターにも選出された。

 そんな投手をトレードするなんてとんでもない、と思う向きもあるだろう。だが、メジャーリーグのGMの思考は少し違う。

 まず前提として踏まえておかなければならないのは、バーランドのトレードバリューは今、最高潮に達している、ということだ。
 

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