昨年、ルーキーだったフェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)が見せた活躍は記憶に新しい。だが、同名の父(以下タティース)もまた、メジャーで唯一無二の偉業を成し遂げた選手である。21年前の今日、当時セントルイス・カーディナルスの正三塁手だった彼は「1イニング2満塁弾」の大記録を打ち立てたのだ。
1999年4月23日、敵地ドジャー・スタジアムでの対ロサンゼルス・ドジャース戦。タティースはそれまでの14試合で4本塁打を放つなど打撃好調で、この日は3番の主砲マーク・マグワイアの後を打つ4番に入っていた。
ドジャースの先発は韓国人初のメジャーリーガー、パク・チャンホだった。前年15勝を挙げたエースの前に、カーディナルスは2回まで得点できず。タティースも第1打席は併殺打に倒れている。
だが3回表、2点を追うカーディナルスは猛烈な反撃に転じる。1番のダレン・ブラッグがレフト前ヒットでまず出塁。2番エドガー・レンテリアの死球に続いて3番マグワイアもヒットを放ち、無死満塁の場面でタティースに打席が回ってきた。
カウント2-0からの3球目、インコースに入った速球をシニアが強振。ボールは美しい放物線を描いて、レフトスタンドに飛び込む逆転満塁ホームランとなった。
その後も、カーディナルス打線はパクにさらなる猛攻をかけた。3点を追加した上でなおも二死満塁として、再びタティースに打席が回ってきたのである。
直前の一発が脳裏に焼き付いているだけに、今度はパクも慎重だった。何とかフルカウントまではこぎ着けたものの、この回ここまですでに47球を費やしていた。その疲労からか、はたまた一瞬の気の緩みか、6球目に投じられたスライダーが、またも吸い込まれるように内角へ。タティースはすかさずフルスウィングした。
完璧に捉えた打球は、左中間スタンドに飛び込む2打席連続の満塁ホームランとなった。1イニング2満塁弾は史上初で、現在も唯一の記録として残る。打たれたパクは「こんな記録は二度と生まれないだろう」とすっかり脱帽。タティースも「起こったことが信じられないよ」と喜びを爆発させた。
この年は打率.298、34本塁打107打点とキャリアハイの成績を挙げたタティースだが、その後は故障もあって低迷。結局30本以上を打ったのはこの年だけで、通算113本塁打と飛び抜けた成績は残せなかった。
それでも、ファンは今も彼の偉業を鮮明に記憶しているようで、タティースは昨年のインタビューで「どこに行ってもあの記録について聞かれるんだ。スーパーでも、ガソリンスタンドでもね」と語っている。データアナリストのトム・タンゴによれば、この記録が再び達成される確率はわずか1200万分の1。タティースの偉業は今後も"アンタッチャブル・レコード"として、長く語り継がれていくだろう。
構成●スラッガー編集部
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1999年4月23日、敵地ドジャー・スタジアムでの対ロサンゼルス・ドジャース戦。タティースはそれまでの14試合で4本塁打を放つなど打撃好調で、この日は3番の主砲マーク・マグワイアの後を打つ4番に入っていた。
ドジャースの先発は韓国人初のメジャーリーガー、パク・チャンホだった。前年15勝を挙げたエースの前に、カーディナルスは2回まで得点できず。タティースも第1打席は併殺打に倒れている。
だが3回表、2点を追うカーディナルスは猛烈な反撃に転じる。1番のダレン・ブラッグがレフト前ヒットでまず出塁。2番エドガー・レンテリアの死球に続いて3番マグワイアもヒットを放ち、無死満塁の場面でタティースに打席が回ってきた。
カウント2-0からの3球目、インコースに入った速球をシニアが強振。ボールは美しい放物線を描いて、レフトスタンドに飛び込む逆転満塁ホームランとなった。
その後も、カーディナルス打線はパクにさらなる猛攻をかけた。3点を追加した上でなおも二死満塁として、再びタティースに打席が回ってきたのである。
直前の一発が脳裏に焼き付いているだけに、今度はパクも慎重だった。何とかフルカウントまではこぎ着けたものの、この回ここまですでに47球を費やしていた。その疲労からか、はたまた一瞬の気の緩みか、6球目に投じられたスライダーが、またも吸い込まれるように内角へ。タティースはすかさずフルスウィングした。
完璧に捉えた打球は、左中間スタンドに飛び込む2打席連続の満塁ホームランとなった。1イニング2満塁弾は史上初で、現在も唯一の記録として残る。打たれたパクは「こんな記録は二度と生まれないだろう」とすっかり脱帽。タティースも「起こったことが信じられないよ」と喜びを爆発させた。
この年は打率.298、34本塁打107打点とキャリアハイの成績を挙げたタティースだが、その後は故障もあって低迷。結局30本以上を打ったのはこの年だけで、通算113本塁打と飛び抜けた成績は残せなかった。
それでも、ファンは今も彼の偉業を鮮明に記憶しているようで、タティースは昨年のインタビューで「どこに行ってもあの記録について聞かれるんだ。スーパーでも、ガソリンスタンドでもね」と語っている。データアナリストのトム・タンゴによれば、この記録が再び達成される確率はわずか1200万分の1。タティースの偉業は今後も"アンタッチャブル・レコード"として、長く語り継がれていくだろう。
構成●スラッガー編集部
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