現地5日、米大手スポーツメディア『ジ・アスレティック』は、MLB機構が「6月10日にキャンプ再開、7月1日から開幕」に向けて動き出していると報じた。他にも、米上院多数党院内総務が6月下旬~7月上旬までの開幕を求め、敏腕代理人のスコット・ボラスも早期開幕をリクエストする声を上げるなど、にわかにMLBの周囲は慌ただしくなっている。
しかし、こうした"楽観的"な意見に対して、選手サイドから異議申し立てが聞こえてきた。通算58勝、日米野球で来日したこともあるボストン・レッドソックスの右腕、コリン・マキューは現地6日、地元ラジオ局に出演し、再開に関して持論を語っている。
「野球選手である前に私は夫であり、父親として」と前置きしてマキューは続けた。「球界には不整脈や糖尿病など基礎疾患のある人が多くいる。コーチの中には65歳を超えている人もいる、審判の多くがそうだ。彼らは新型コロナウイルスに感染したり、回復へのリスクが大きすぎる」と、新型コロナで症状が悪化しやすい高齢者が関係者に多くいることを懸念材料とした。
さらにマキューは言う。「選手たちに『プレーしろよ、そうじゃないと復帰してもお前のロースターの空きはないぞ』なんて、言ってはいけないんだ。選手の命、家族の命、頑張ってプレーすることを選ぶ人に、命のリスクを冒すようなことも言ってはダメだ」と訴え、仮にシーズンが開幕したとしても、安全面が担保されなければ、選手は参加するかどうかを選ぶ権利を持つべきだとも主張。
さらに、方々から"野球の力"を求める意見があることに対しても、自身はマイノリティだとしつつ、「野球は素晴らしいものだけれど、必要不可欠なものではない」という。「今やるべきことはたくさんある。新型コロナの脅威がまだ存在し、適切な処置やワクチンができない限りは、外出することへのリスクは存在する。私はメジャーリーガーであると同時に夫であり父親なんだ、自分自身、そして家族を守ることを最優先するね」。
新型コロナウイルスの封じ込めに成功した国や、感染者のピークが過ぎたとされる国は少しずつ出てきてはいる。しかし依然として、その脅威が去ったわけではない。経済活動も大事な一方で、選手も一人の人間。自身と家族の命を守りたいとする意見も当然ある。
果たしてMLB機構や選手会、そして国は、今後どのような舵を切って、再開に向けて動き出すのか。注目していきたい。
構成●SLUGGER編集部
【PHOTO】艶やかに球場を彩るMLBの「美女チアリーダーズ」!
しかし、こうした"楽観的"な意見に対して、選手サイドから異議申し立てが聞こえてきた。通算58勝、日米野球で来日したこともあるボストン・レッドソックスの右腕、コリン・マキューは現地6日、地元ラジオ局に出演し、再開に関して持論を語っている。
「野球選手である前に私は夫であり、父親として」と前置きしてマキューは続けた。「球界には不整脈や糖尿病など基礎疾患のある人が多くいる。コーチの中には65歳を超えている人もいる、審判の多くがそうだ。彼らは新型コロナウイルスに感染したり、回復へのリスクが大きすぎる」と、新型コロナで症状が悪化しやすい高齢者が関係者に多くいることを懸念材料とした。
さらにマキューは言う。「選手たちに『プレーしろよ、そうじゃないと復帰してもお前のロースターの空きはないぞ』なんて、言ってはいけないんだ。選手の命、家族の命、頑張ってプレーすることを選ぶ人に、命のリスクを冒すようなことも言ってはダメだ」と訴え、仮にシーズンが開幕したとしても、安全面が担保されなければ、選手は参加するかどうかを選ぶ権利を持つべきだとも主張。
さらに、方々から"野球の力"を求める意見があることに対しても、自身はマイノリティだとしつつ、「野球は素晴らしいものだけれど、必要不可欠なものではない」という。「今やるべきことはたくさんある。新型コロナの脅威がまだ存在し、適切な処置やワクチンができない限りは、外出することへのリスクは存在する。私はメジャーリーガーであると同時に夫であり父親なんだ、自分自身、そして家族を守ることを最優先するね」。
新型コロナウイルスの封じ込めに成功した国や、感染者のピークが過ぎたとされる国は少しずつ出てきてはいる。しかし依然として、その脅威が去ったわけではない。経済活動も大事な一方で、選手も一人の人間。自身と家族の命を守りたいとする意見も当然ある。
果たしてMLB機構や選手会、そして国は、今後どのような舵を切って、再開に向けて動き出すのか。注目していきたい。
構成●SLUGGER編集部
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