プロ野球

【巨人の2020年を左右する3つのポイント】菅野は昨年の不振から復活するか?今季こそ泣き所の二塁を固定したいが…

SLUGGER編集部

2020.06.16

リーグ連覇のためには、球界のエース・菅野の復活が必要不可欠だ。写真:山崎賢人(THE DIGEST編集部)

 どんなチームも未知数の要素を抱えてシーズンを迎えるもの。2020年の巨人の成否を左右するであろう3つの要素を分析してみよう。

●1 絶対的エースの菅野は復活できるか
 日本球界が誇る絶対エースも昨季は苦しんだ。腰の不調もあってプロ入り以降初めて規定投球回未到達に終わり、防御率も自己ワースト。リベンジに燃える今季は、身体の軸を安定させるため上半身から先に始動する新たな投球フォームを導入した。本人は「今年は"大復活"になると期待している」と自信を覗かせている。実際、練習試合ではストレートの威力が戻り、三振を奪いまくるなど調整具合は上々。2年連続沢村賞を受賞した17~18年の姿が戻ればこれほど心強いことはないが、チームは昨季最多勝の山口俊が抜け、他の先発投手の陣容も定まっていない。今季も菅野の不調が続くようだとリーグ連覇は一気に難しくなる。
 
●2 "勝利の方程式"を確立できるか
 先発投手陣もさることながら、ブルペンの陣容にも不確定要素が多い。昨年の救援防御率3.68はリーグ4位。原辰徳監督と宮本和知投手チーフコーチはともに「僅差の試合を勝ち切ること」の重要性を口にするが、昨季55登板の田口麗斗が先発に復帰したこともあり、今季もまだ盤石とは言い難い状況だ。6月の練習試合では、昨季いずれもチーム最多の16セーブ&17ホールドを挙げた中川皓太と新加入のビエイラ、そしてデラロサを勝ちパターン継投に起用。宮本コーチは12日になってデラロサをクローザー、7、8回を中川とビエイラでつなぐ方針を明かした。昨季も活躍した中川はともかく、ビエイラは計4.2回で7失点と不安も残る。最速167キロとの触れ込みのブラジル出身の豪腕が、ブルペンのキーマンになるかもしれない。

●3 吉川尚は今季こそ二塁に定着できるか
 主将の坂本勇人が「僕がレギュラーになってから、もう13年になるが、巨人の生え抜きでセカンドのレギュラーを1年間守った人は一人もいない」とこぼすように、正二塁手不在は長くチームの泣き所だった。昨季は増田大輝、山本泰寛、若林晃弘が各30試合以上守ったが、いずれも決め手不足だった。だが、本来なら、ダイナミックな守備と俊足で魅せる吉川尚輝の定着が以前から期待されている。昨季は1番・二塁で開幕スタメンを果たしたが、腰痛で長期離脱し、わずか11試合の出場に終わった。抜群の身体能力を持つ彼が二塁に定着できれば、連覇はぐっと近づくだろう。

構成●SLUGGER編集部

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