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高校野球

交流試合最終日、東海大相模と大阪桐蔭の“東西横綱”がぶつけ合った「甲子園への熱い思い」

氏原英明

2020.08.18

大会最終日に行われた東西の強豪同士の対決は、大阪桐蔭に軍配が上がった。写真:徳原隆元

大会最終日に行われた東西の強豪同士の対決は、大阪桐蔭に軍配が上がった。写真:徳原隆元

 大阪桐蔭・西谷浩一監督の携帯が鳴る。突如、電話をかけてきたのは東海大相模・門馬敬治監督だった。

「関東近辺をうろちょろしているらしいね。こっちの選手、取っていくんじゃねーぞ」

 同学年である彼らは普段からツーカーの仲だ。時に電話をかけ合い、野球の話をする。

 大阪桐蔭は関東の中学生選手までスカウティングに行くのかという質問をした時、西谷監督がとこのエピソードを話し出した。今から5、6年前、西谷監督が千葉県のある中学生を視察に行った際、その噂が瞬く間に広がり、門馬監督の耳に入ったという話である。西谷監督は門馬監督にこう言い返したという。

「お前に言われたないわ。関西の選手、なんぼ持っていっとんねん!」

 当時は吉田凌(現オリックス)など関西の多くの有望選手が東海大相模の門を叩いていた。そんな事情もあって西谷監督は反論したというわけだ。「たまには、こっちも関東に行っておかないと取られっぱなしですからね」。

 そんな二人が初めて甲子園であいまみえた。
 
 甲子園交流試合の第6日第1試合。東海大相模と大阪桐蔭の一戦は、“東西の横綱対決”
と呼ばれるにふさわしい、非常にレベルが高い試合となった。

 1回表、東海大相模の1番・鵜沼魁斗がいきなり快音を響かせる。昨年、2年生ながらU-18日本代表にも名を連ねた斬り込み隊長の打球は三塁手を痛烈に襲った。しかし、これを大阪桐蔭の宮下隼輔が難なくキャッチ。会心の打撃とそれを阻んだ好守。その後の互角の渡り合いを予感させるような幕開けだった。

 先制したのは大阪桐蔭だった。

 1回裏、2死一、二塁から5番・吉安蓮哉が森友哉(西武)を彷彿とさせるフルスウィングでライト前に弾き返すタイムリーヒットを放ち、1点を先行した。

 しかし、この後は両チームの先発サウスポーが力投を見せる。大阪桐蔭の藤江星河は4回までをノーヒットに抑えると、東海大相模の2年生石田は6回までに4者連続を含む7三振を奪う圧巻の投球を見せたのだった。
 

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