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プロ野球

「日本で見た選手の中で最も印象的」躍進中の藤原恭大を、主砲マーティンが絶賛!

SLUGGER編集部

2020.10.17

チームの緊急事態に昇格した藤原が、主砲をも驚かせる大活躍を見せている。写真:山手琢也

チームの緊急事態に昇格した藤原が、主砲をも驚かせる大活躍を見せている。写真:山手琢也

 3球団が競合した逸材が、その資質を遺憾なく発揮している。

 16日、パ・リーグ2位につけるロッテは本拠地で日本ハムと対戦して5対1で勝利。先発の二木康太が6回1失点で試合をまとめると、3つの本塁打が飛び出して勝利を収めた。中でも印象的だったのが、1回裏、藤原恭大の先頭打者ホームランだろう。

 14日の楽天戦で、涌井秀章から初球先頭打者アーチを放ってプロ第1号を記録した藤原。この日も1番で初回の第1打席を迎えると、カウント2-0から杉浦稔大のストレートをしばき上げると、打球はZOZOマリンの夜空を切り裂くホームランとなった。プロ1号&2号が初回先頭打者本塁打というのは、1953年の栗木孝幸(毎日)、2008年の赤松真人(広島)に次いでプロ野球12年ぶり3人目、球団では67年ぶり快挙となった。

 そんな大活躍を続ける藤原に対して、この日勝ち越し2ランを放ち、同じくヒーローインタビューに呼ばれた主砲マーティンは「日本で見た選手の中で最も印象的」と大絶賛。外国人選手にありがちなリップサービスの面も多少あるかもしれないが、実際、藤原の活躍は本当に印象的である。
 
 ロッテは新型コロナのクラスター発生で多くの主力が離脱。その“代替選手”として藤原に、白羽の矢が立った。7日オリックス戦で今季一軍初出場を果たして5回にヒットを放つと、2試合目にはプロ初の猛打賞を達成。ここまでの8試合はすべて1番で出場し、出塁できなかったのは1試合だけと、2年目の20歳が“主力”と呼ぶに恥じない成績を残している。

 メジャー通算617安打、1番打者として222試合に出場しているマーティンをして「印象的」と思わせたのは、藤原が急な昇格にもかかわらず、堂々としてプレーをしているからだろう。

 思えば、一昨年のドラフトで藤原は3球団競合の末にロッテに入団した。高卒新人ながら開幕戦で一軍デビューし、いきなりヒットを放ったものの、一軍の壁は高く、二軍でも打率.227と苦戦した。今季も故障があって、二軍戦で打率.230、7本塁打、14盗塁と決して満足のいく数字を残していたわけではない。しかし、偶然巡ってきたチャンスで「印象的」な活躍を見せられるのは、まさにスターの資質を感じさせるものだ。

 そして何より、大阪桐蔭高を春夏連覇に導いた「世代最強の打撃」、強烈なスウィングは「印象的」以外の何物でもない。藤原がこの活躍を続けられれば、主力が復帰しても必ずや一軍にとどまれるはずだ。そして、首位ソフトバンクの牙城を切り崩すジョーカーになるのでは。そんな期待感も、彼の存在からは漂っている。

構成●SLUGGER編集部
 
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