プロ野球

巨人の貧打は予想通り!?4連敗で露呈した「東京ドームじゃない」上位打線の弱さ

THE DIGEST編集部

2020.11.26

巨人の上位はほぼいいところなく打てずに終わった。しかしこの結果は、最初から予想できた? 写真:田口有史

 今年"も"日本シリーズはほぼ盛り上がることなく閉幕した。2年連続でソフトバンクと巨人が顔を合わせた大舞台は、またもパ・リーグ覇者がセ・リーグ覇者をまったく寄せ付けずに4連勝スウィープ。ソフトバンクが4年連続日本一を達成することになった。

 ソフトバンク打線が巨人投手陣を打ち込んだのも事実だが、それ以上に気になったのが、巨人打線の貧打ぶりだ。第1戦は犠飛の1点、第2戦はウィーラーの2ラン、第3戦は9回2死まであわやノーヒッターの大敗、第4戦が初回に先制したものの以降は得点の匂いすら感じさせないボロボロぶりだった。レギュラーシーズンでは両リーグ2位のOPS.739と好調だった巨人打線が、なぜこれほどまでに打てなかったのだろうか。

 一つには、パ・リーグ投手陣のクオリティの高さもあるだろうが、そもそも「東京ドームではない」巨人打線は"そうでもない"ことが挙げられる。巨人の主な上位打線の東京ドームと他球場の成績の違いを見てみよう。
 
●2番・松原聖弥:(日本シリーズ成績)9打数無安打、打率.000/(東京ドーム)打率.303、出塁率.382、OPS.836/(他球場)打率.226、出塁率.280、OPS.575

●3番・坂本勇人:(日本シリーズ成績)14打数3安打、打率.214/(東京ドーム)打率.289、出塁率.390、OPS.933/(他球場)打率.288、出塁率.368、OPS.829

●4番・岡本和真:(日本シリーズ成績)13打数1安打、打率.077/(東京ドーム)打率.325、出塁率.408、OPS1.077/(他球場)打率.270、出塁率.321、OPS.754

●5番・丸佳浩:(日本シリーズ成績)15打数3安打、打率.133/(東京ドーム)打率.316、出塁率.402、OPS1.020/(他球場)打率.251、出塁率.348、OPS.837

 当たり前だが、打席が多く回り、チームの主軸となる上位打線が機能しないと点はなかなか取れない。そして、巨人で主に上位を務めた4人の成績は散々な数字が並んでいる。坂本は第4戦で先制二塁打を放ったり、丸もノーヒッター阻止の一打を記録したが、やはり圧倒的に物足りない結果だ。

 続いて、レギュラーシーズンの彼らの成績を東京ドームとそれ以外の球場での成績を比較すると、上位勢は軒並み大きく数字を下げているのが分かるだろう。今回の日本シリーズはコロナ禍でシーズンが遅れたこともあり、巨人は本拠地・東京ドームを使用できなかったが、そのダメージがダイレクトに表れたとも言える形だ。

 特にまったくと言っていいほどソフトバンク投手陣を打てなかった本塁打&打点の二冠王・岡本は、まさに東京ドームの恩恵を受けられなかった、と言ってもいいような打席が続いていた。「僕がもっと打てばチームが乗ったと思うし、勝つことはできた」との言葉は掛け値なしの本音だろう。

 確かに、たかが4試合の結果である。球場の違いだけでここまでの大敗になったわけではないが、東京ドーム以外での4試合でここまで主力が打てないと、敗因の一端にはなったように思える。実際、第1戦では「東京ドームなら入っていた」ような打球が外野フライになったケースも散見されただけに、ホームスタジアムを使用できなかった影響は、巨人に想像以上のダメージを与えたのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部
 
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