MLB

「現実を直視すべき」米メディアは大谷翔平の二刀流に懐疑的…勝負の4年目でリベンジなるか

白鳥純一

2021.01.18

新シーズンでも二刀流の継続が濃厚と言われているが、米メディアは打者専念を推す声が多いようだ。(C)Getty Images

 MLBのロサンゼルス・エンジェルスに所属する大谷翔平投手は、期限内に来シーズン年俸の合意に至らず、年俸調停委員会の裁定に委ねられることになった。

 米紙の『THE ORANGE COUNTY』は、「エンジェルスは、大谷を来月年俸調停に連れて行く」と言うタイトルで、その行方を詳しく紹介している。

 同紙はエンジェルスのペリー・ミナシアンGMの「双方は、彼の昇給に合意しているが、どの程度かが焦点だ」というコメントとともに、「昨季、調停権を持たなかった大谷の年俸は、70万ドル(約7300万円)と低く抑えられていた。メジャー3年目のシーズンを終えて調停権を得た大谷は、330万ドル(約3億4000万円)を希望。一方で、球団は250万ドル(約2億6000万円)を提示しており、3人の仲裁人を交えた公聴会などを経て、今季の年俸が決定することになる」と、今後の流れについても触れた。
 
 また、「毎年10~15件程度の年俸調停が開かれているが、大谷選手のような、投手と野手の双方で試合に出場した選手の調停は初となる。ベーブ・ルース以来、『二刀流』で起用される選手がいなかったので、前例がないなかでの判断を強いられることになるだろう」と言及する同紙。大谷の過去3年間の成績については、「2020年シーズンは、平均.190、OPS.657と苦戦が続いたが、それでも、(通算成績は)MLBの平均的な打者よりも優れている」と評価しつつも、投手としては「両方の役割が出来るのか、疑問を残している」と二刀流の継続には懐疑的だ。

 同じくアメリカ『Los Angeles TIMES』や『Haro Hangout』も、大谷の年俸調停について伝える記事内で、「二刀流」についての見解を述べている。

 同紙は、「昨シーズンの大谷は、マウンドでつまづいた。昨夏には投手としてのカムバックを試みたが、対戦した16人の打者のうち8人に四球を与えた」と、満足なピッチングが出来なかった2020年シーズンに言及した上で、「大谷はまだ26歳だが、怪我の影響で、彼の才能が無駄になってしまったら、それは『罪』に他ならない。彼の選手としての魅力や、契約に至った背景に、『二刀流』をこなせる才能があった部分も理解できるが、チームは現実を直視する必要がある」と、大谷"投手"を厳しく評価した。

 加えて、『Haro Hangout』も、昨シーズンの大谷が結果を残せなかった背景に「前腕の筋肉の張りがある」とし「大谷翔平は、エンジェルスの先発ローテーションを担いながら、打線のスターティングラインナップに名を連ね、投打の中心選手としての活躍が期待されていた。だが実際は、1世紀以上の間見ることができなかった(ベーブ・ルースのような高い)レベルで、投打に渡ってプレーするという状況ではなかった。(エンジェルスの監督)ジョー・マドンは、大谷を野手として永久に使うことを約束すべきだろう」と現状を分析し、大谷の野手への専念を主張。さらに同紙は「レフトは、エンジェルスの外野手の弱点。大谷を起用すべきでは?」と、具体的な起用法についても触れた。

 MLB年目の昨年は、大きく数字を落とした大谷。それでも『二刀流』を継続するであろう4年目は、勝負の年となりそうだ。

文●白鳥純一

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