「田中将大が楽天に復帰」――楽天のエースとして活躍を続け、2013年には24勝0敗1セーブという驚異的な成績でチームを創設初の日本一に導いた"神の子"が、8年ぶりに日本球界に復帰する可能性が出てきている。
このオフにニューヨーク・ヤンキースからFAとなった田中は、7年間所属した古巣との再契約が濃厚と見られていた。しかしコロナ禍やチームの方針もあって契約が進まず、また市場最高の選手であるトレバー・バウアーの去就が決まらない影響もあって、年が明けても田中のステータスはブランクになっていた。
そんな中で、もう一つの古巣・楽天が田中にオファー。世界で最も新型コロナに苦しみアメリカでは本当にシーズンが予定通り開幕できるか不透明だが、日本では「より安全に」プレーできるという点も、田中の心を動かす材料になるかもしれず、日に日に報道も熱を帯びている。
こうした状況を加味してか、ヤンキース保有のTV局『YESネットワーク』は田中の去就に関する記事を掲載し、"惜別"ともとれるメッセージを送りながら、ヤンキース時代を回顧した。
記事内ではまず、田中は「高いレベルで三振を量産する投手であると同時に、コマンド(狙ったところに投げる能力)マスター」と紹介。2014年のメジャーデビュー以降、通算奪三振率8.46、与四球率1.76という優秀な数字を残し、オールスターに2回選出、173先発して78勝46敗、そのうち103試合でチームを勝たせてきた存在だったと讃えた。加えて昨年のポストシーズンでは乱調だったものの、それまでの8先発では防御率1.76、被打率1.54と圧巻で、同紙は「素晴らしく印象的だった」と振り返っている。
さらに記事では、監督とGMがこのオフに田中について語った言葉も取り上げた。アーロン・ブーン監督は田中について、「素晴らしい選手であるだけでなく、究極のプロフェッショナルだ」と称賛。人間性と競争心を持ち合わせた存在だとして、相当に惚れ込んでいたようだ。また、田中獲得に尽力したブライアン・キャッシュマンGMも「日本から多大なるものをもたらしてくれた。しかも、日本から移籍しても何の苦労もなくやり遂げた。プラスの意味で、マサは我々にインパクトを残してくれたよ」。
ヤンキース時代の活躍、フロントからの絶賛の声に続き、記事では最後にこう綴られている。「もしヤンキースにおけるタナカのキャリアが終わりになったとしても、タナカは世界一を達成していないけれども、球団史上最も印象的な先発投手の一人となるだろう」。
惜別とも言えるようなメッセージは、果たして現実のものとなるのか。田中の今季はアメリカ、それとも日本になるのか。日米の注目をまだまだ浴び続けることだろう。
構成●SLUGGER編集部
このオフにニューヨーク・ヤンキースからFAとなった田中は、7年間所属した古巣との再契約が濃厚と見られていた。しかしコロナ禍やチームの方針もあって契約が進まず、また市場最高の選手であるトレバー・バウアーの去就が決まらない影響もあって、年が明けても田中のステータスはブランクになっていた。
そんな中で、もう一つの古巣・楽天が田中にオファー。世界で最も新型コロナに苦しみアメリカでは本当にシーズンが予定通り開幕できるか不透明だが、日本では「より安全に」プレーできるという点も、田中の心を動かす材料になるかもしれず、日に日に報道も熱を帯びている。
こうした状況を加味してか、ヤンキース保有のTV局『YESネットワーク』は田中の去就に関する記事を掲載し、"惜別"ともとれるメッセージを送りながら、ヤンキース時代を回顧した。
記事内ではまず、田中は「高いレベルで三振を量産する投手であると同時に、コマンド(狙ったところに投げる能力)マスター」と紹介。2014年のメジャーデビュー以降、通算奪三振率8.46、与四球率1.76という優秀な数字を残し、オールスターに2回選出、173先発して78勝46敗、そのうち103試合でチームを勝たせてきた存在だったと讃えた。加えて昨年のポストシーズンでは乱調だったものの、それまでの8先発では防御率1.76、被打率1.54と圧巻で、同紙は「素晴らしく印象的だった」と振り返っている。
さらに記事では、監督とGMがこのオフに田中について語った言葉も取り上げた。アーロン・ブーン監督は田中について、「素晴らしい選手であるだけでなく、究極のプロフェッショナルだ」と称賛。人間性と競争心を持ち合わせた存在だとして、相当に惚れ込んでいたようだ。また、田中獲得に尽力したブライアン・キャッシュマンGMも「日本から多大なるものをもたらしてくれた。しかも、日本から移籍しても何の苦労もなくやり遂げた。プラスの意味で、マサは我々にインパクトを残してくれたよ」。
ヤンキース時代の活躍、フロントからの絶賛の声に続き、記事では最後にこう綴られている。「もしヤンキースにおけるタナカのキャリアが終わりになったとしても、タナカは世界一を達成していないけれども、球団史上最も印象的な先発投手の一人となるだろう」。
惜別とも言えるようなメッセージは、果たして現実のものとなるのか。田中の今季はアメリカ、それとも日本になるのか。日米の注目をまだまだ浴び続けることだろう。
構成●SLUGGER編集部