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プロ野球

喫緊の課題は投手陣の立て直し。田中将大の動静もカギを握りそうだ【キャンプ注目ポイント|楽天】〈SLUGGER〉

eagleshibakawa

2021.01.28

"復帰"報道が過熱する田中。もし実現すれば、戦力アップはもちろん、その経験値がもたらすチームへの刺激も大きなプラス要素だ。(C)Getty Images

「球春到来」。2月1日、2021シーズンのプロ野球キャンプがスタートする。コロナ禍でまだまだ不透明なところも多いが、この時点は全球団が“横一線”、どのチームも優勝のチャンスがある。だからこそ、春季キャンプではそれぞれの「長所」と「課題」をいかに伸ばし、解決していくのかがカギを握る。各球団の“見どころ”を探っていこう!

●最重要課題は『若手、生え抜きの台頭』

 コロナ禍のプロ野球キャンプが、いよいよ始まる。楽天は離島の医療体制に配慮し、開催地を久米島から沖縄本島へ変更。一軍は例年の二次キャンプ地・金武町に拠点を移し、2月22日まで実戦中心の内容が予定されている。(二軍はうるま市で21日まで)

 今年の楽天は石井一久GMが全権監督に就任。V争いと中長期的な常勝軍団作りへ強くコミットする姿勢を示した。そんな現体制3年目にかかるキャンプの最重要課題は、『若手、生え抜きの台頭』だ。

 昨年は涌井秀章が最多勝を記録する反面、松井裕樹が先発再転向に失敗するなど、移籍組と生え抜きで明暗分かれた。若手からの突き上げによる戦力底上げはなされず、夏場以降にチームは息切れした。

 とくに『投手陣の立て直し』は喫緊の課題になる。防御率は4.19に沈み、先発を多く担った岸孝之、涌井秀章、塩見貴洋、福井優也、則本昂大、辛島航は30歳以上。高齢化に伴う成績低迷が強く危ぶまれる年齢だ。救援陣では昨年52登板の牧田和久も今年37歳になる。一方、昨年25歳以下で先発投手を務めたのは松井裕樹と藤平尚真だけ。ふたりで計11登板で、40回以上は松井のみだ。下の世代が伸びていない。
 
 その窮状を救う存在が、4球団競合したドラ1の早川隆久を始め、高田孝一、藤井聖、内間拓馬の新人4投手だ。キャンプを一軍で迎える大学・社会人出の即戦力が、東北の5年10年を支える屋台骨になれるよう、まずはプロ生活の順調な船出を願いたい。

 ここへきてレジェンドの動静も《投手陣再整備のカギ》を握りそうだ。田中将大の電撃復帰があれば、その豊富な経験がもたらす相乗効果は計り知れない。実際、先日に田中と合同自主トレを行なった松井が、ストレートを意図的に高めに使う投球術をアドバイスされたばかり。もし楽天入りとなれば、このような“気づき”が随所でもたらされるはずだ。

 熱い視線は『正捕手争い』にも注がれている。昨年楽天はパ・リーグ最多7人を起用するほど捕手には悩まされた。3年目の太田光を中心に、巨人から移籍して出場機会に飢える田中貴也、インサイドワークに長ける下妻貴寛、二軍で着実に打力を向上させている石原彪がどう絡むのかに注目だ。

 最後に『生え抜き和製大砲の誕生』にも触れたい。球団創設以来、年間20発を放った生え抜きがいない。このオフに24発を放ったロメロは退団。代わりにディクソン、カスティーヨといった新外国人2名を補強した。しかし彼らは強打者タイプではない。ロメロの穴を埋めるためにも、昨年、平良海馬(西武)の155キロを満塁弾にした内田靖人の、今年こその覚醒に、いやが上にも期待は高まる。

文●eaglesshibakawa

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