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プロ野球

「感触は完璧です」ヤクルトの主砲・村上宗隆が豪快な一発! 楽天に完敗も開幕に向け調子は上向き

井上尚子

2021.02.26

昨シーズン、最高出塁率者賞とベストナインを受賞した村上が豪快な一発を放った。写真:井上尚子

昨シーズン、最高出塁率者賞とベストナインを受賞した村上が豪快な一発を放った。写真:井上尚子

 ヤクルト・村上宗隆内野手と塩見泰隆外野手が、揃って浦添の空にアーチをかけた。

 折からの強風をものともしなかった。「感触は完璧です」。練習試合とはいえ、観客も中継もないのが勿体ないくらいの、見事な村上の大飛球だった。

 楽天との練習試合は、ヤクルト・小川泰弘、楽天・涌井秀章の両先発により始まった。2回までは両チーム無得点と締まった展開だったが、3回から登板した高橋奎二が乱調。2回を投げて7失点と試合を作れない。カウントを悪くして打たれる、二死から失点するなど修正できなかった。

 8点差のビハインドとなった6回、村上の放った豪快な一打がライトスタンド後方の防球ネットに突き刺さった。楽天4番手・津留崎大成の145キロ直球を振り抜いた、今季実戦初の本塁打だった。大量点差があったため本人は表情も変えず、球場は静けさのまま。ベンチのチームメイトも騒がずに迎えた。

「打球よりも、自分のやりたいことをやりたい形でできたことが結果につながっていると思います」

 8回には一番定着が期待される塩見が、楽天5番手の釜田佳直からレフトスタンドへ叩き込んだ。ソロホームラン2本と9回に代打・廣岡大志のタイムリーがあり、かろうじて3点を入れたものの、最終的にヤクルトは3-9の完敗を喫した。
 
 村上と塩見の本塁打について、試合後、高津監督は「彼らなら、タイミングさえ合えばあれくらいの打球は打てると思いますけど、練習試合とはいえ、本人たちはすごくすっきりしてるんじゃないですか。甘い球をしっかり捉えられたというのは良かったと思いますね」と述べた。

 現在スタメンには主力が名を連ねてはいるが交代も早く、打線はまだ上手く繋がりを見せていない。だが「結果を求めていくのはこれから」と高津監督は前を向く。

 2月27日、28日と練習試合は続く。27日には田中将大が登板予定となっており、最高の投手との対戦で経験を磨く。開幕に向けて主力は照準を合わせ、ポジションを狙う若手がしのぎを削る毎日だ。3月には観客を入れたオープン戦も始まる。まだ大きな歓声を上げられるわけではないが、それでも村上の一球一打を、その豪快な飛球を、球場で見たいと待ち望む人々がたくさんいる。

 彼らの目の前で、思う存分暴れられるまであと少しだ。

取材・文●井上尚子(フリーライター)

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