次の“順位表”が何を意味しているのか、お分かりだろうか。
1位:阪神/12本、2位:ソフトバンク/10本……6位:中日/4本、【6位:佐藤輝明/4本】、8位:ロッテ/3本、8位:巨人/3本、10位:広島/2本、10位:DeNA/2本、12位:楽天/0本(3月15日時点)
これは、昨日時点での12球団オープン戦本塁打ランキングである。ひとつ、いや“ひとり”おかしな名前がランク入りしている。中日と並ぶ6位タイに、阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明が、ロッテ、巨人、広島、DeNA、楽天の総本塁打数を一人で上回っているのである。
昨年のドラフト会議で、佐藤は早川隆久(楽天1位)と並ぶ4球団が競合したスラッガーだ。187cm、94kgの堂々とした体躯から豪快なスウィングを持ち味とし、関西学生リーグ新記録の14本塁打を放ったパワーの評価は非常に高かった。キャンプの練習試合でも場外弾を放つなどその実力を見せていたとはいえ、オープン戦でのここまでの活躍は驚きという他ない。
15日までにオープン戦8試合に出場して打率.370、4本塁打、6打点。もちろん数字も素晴らしいのだが、その本塁打のインパクトも衝撃的だった。3月5日のソフトバンク戦では初回、3番・レフトで出場すると、“モモノフ(『ももいろクローバーZ』の大ファン)”としても先輩である昨季投手二冠王の石川柊太から左翼席に一発。石川の快速球を逆方向へ見事にかち上げた打球はぐんぐん伸び、この試合の解説を務めていた斉藤和巳氏も「え、え、え……」とそのパワーに目を丸くしていた。
さらに12日、雨の中で行なわれた甲子園での西武戦は、西武の開幕投手を務める髙橋光成の、こちらも快速球をレフトスタンドへ叩き込む衝撃アーチ。この時は、甲子園特有の浜風とは逆の左翼から右翼方向への強めの風が吹いていたのだが、その逆風にまったく影響されないパワーに、本拠地ファンすらもどよめくほどだった。
そして16日、佐藤は神宮でのヤクルト戦、左腕の寺島成輝から今度は完璧に引っ張る一撃でオープン戦第5号アーチを放った。新人のオープン戦5本塁打は、ドラフト制以降のルーキーでは1972年の佐々木恭介(近鉄)以来49年ぶりのオープン戦タイ記録とあり、今季の活躍が非常に楽しみである。
確かに、オープン戦はオープン戦。その活躍がシーズンの成績に直結するわけではないのは誰もが分かっている。しかし、佐藤の打球、そして打席での佇まいは「何かやってくれる」という雰囲気が漂っている。タイガースは長年、長距離砲の台頭に悩まされてきたが、佐藤はその特効薬となるかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
1位:阪神/12本、2位:ソフトバンク/10本……6位:中日/4本、【6位:佐藤輝明/4本】、8位:ロッテ/3本、8位:巨人/3本、10位:広島/2本、10位:DeNA/2本、12位:楽天/0本(3月15日時点)
これは、昨日時点での12球団オープン戦本塁打ランキングである。ひとつ、いや“ひとり”おかしな名前がランク入りしている。中日と並ぶ6位タイに、阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明が、ロッテ、巨人、広島、DeNA、楽天の総本塁打数を一人で上回っているのである。
昨年のドラフト会議で、佐藤は早川隆久(楽天1位)と並ぶ4球団が競合したスラッガーだ。187cm、94kgの堂々とした体躯から豪快なスウィングを持ち味とし、関西学生リーグ新記録の14本塁打を放ったパワーの評価は非常に高かった。キャンプの練習試合でも場外弾を放つなどその実力を見せていたとはいえ、オープン戦でのここまでの活躍は驚きという他ない。
15日までにオープン戦8試合に出場して打率.370、4本塁打、6打点。もちろん数字も素晴らしいのだが、その本塁打のインパクトも衝撃的だった。3月5日のソフトバンク戦では初回、3番・レフトで出場すると、“モモノフ(『ももいろクローバーZ』の大ファン)”としても先輩である昨季投手二冠王の石川柊太から左翼席に一発。石川の快速球を逆方向へ見事にかち上げた打球はぐんぐん伸び、この試合の解説を務めていた斉藤和巳氏も「え、え、え……」とそのパワーに目を丸くしていた。
さらに12日、雨の中で行なわれた甲子園での西武戦は、西武の開幕投手を務める髙橋光成の、こちらも快速球をレフトスタンドへ叩き込む衝撃アーチ。この時は、甲子園特有の浜風とは逆の左翼から右翼方向への強めの風が吹いていたのだが、その逆風にまったく影響されないパワーに、本拠地ファンすらもどよめくほどだった。
そして16日、佐藤は神宮でのヤクルト戦、左腕の寺島成輝から今度は完璧に引っ張る一撃でオープン戦第5号アーチを放った。新人のオープン戦5本塁打は、ドラフト制以降のルーキーでは1972年の佐々木恭介(近鉄)以来49年ぶりのオープン戦タイ記録とあり、今季の活躍が非常に楽しみである。
確かに、オープン戦はオープン戦。その活躍がシーズンの成績に直結するわけではないのは誰もが分かっている。しかし、佐藤の打球、そして打席での佇まいは「何かやってくれる」という雰囲気が漂っている。タイガースは長年、長距離砲の台頭に悩まされてきたが、佐藤はその特効薬となるかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部