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高校野球

【センバツ準決勝・投打のMVP】東海大相模のエース&4番がさすがの活躍!

西尾典文

2021.03.31

2試合連続完封の石田が納得のMVP。決勝の投球も期待大だ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

2試合連続完封の石田が納得のMVP。決勝の投球も期待大だ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 2年ぶりの開催となった選抜高校野球。プロのスカウトが注目する選手も多いが、その中でも見事な活躍を見せた投手、野手を毎日その日のMVPとして選出する。準決勝の2試合からは以下の選手をセレクトした。

■投手MVP
石田隼都(東海大相模3年):9回、被安打3、0失点、15奪三振、0四死球

 文句なしの内容で準々決勝に続いての選出となった。ストレートは130キロ台中盤が多く、リリーフで登板した初戦、2回戦と比べると数字としてはだいぶ劣っているものの、上手く力みを抜いて腕が振れ、球持ちも長いため打者の手元での勢いも申し分なかった。

 唯一のピンチとなった6回1死三塁の場面では、ギアを上げて外野まで打球を飛ばすことを許さず、ツーアウトとなってからも冷静に低めの変化球で三振を奪った。最も注意すべき打者である4番の瀬千皓に対してもインハイの厳しいコースを攻め続けて、仕事をさせなかったのも見事という他ない。大会が進むにつれて間違いなく安定感は増しており、この調子で決勝も投げ切ることができれば優勝は大きく近づくことになるだろう。
 
■野手MVP
柴田疾(東海大相模3年・三塁手):4打席3打数2安打1打点1死球

 4番の役割をしっかり果たしてチームの勝利に貢献した。何よりも大きかったのが初回の先制タイムリーだ。今大会初先発となった仲川一平の高めに浮いたストレートを見逃さずに強烈にレフト前に運んでみせた。チャンスの場面でも積極性を失うことなく、ファーストストライクをきっちり仕留めたのは見事だった。

 さらに8回の第4打席では得点にはつながらなかったものの、もう少しでバックスクリーンに届く特大のツーベースを放ち、長打力を見せつけている。大会序盤は少しタイミングを外されるスイングが目立ったが、徐々に対応力もアップしてきているように見える。決勝戦でも主砲に相応しい力強いバッティングを見せてくれることを期待したい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
 

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