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MLB

「対策? できることはないよ」智将ヒンチが明かした“対・大谷翔平”。MVP論争には「どこに反対できるの?」と持論

THE DIGEST編集部

2021.10.23

捕手出身の頭脳派として知られるヒンチ監督(右)。彼でさえ大谷(左)の対策にはずいぶん手を焼いたようだ。(C)Getty Images

捕手出身の頭脳派として知られるヒンチ監督(右)。彼でさえ大谷(左)の対策にはずいぶん手を焼いたようだ。(C)Getty Images

 まさに怒涛の快進撃だった。2021年シーズンの大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。
【動画】全46本塁打を一挙振り返り!歴史を築いた大谷翔平の本塁打をチェック

 右肩の故障も癒えて開幕を迎えた27歳は、二刀流として投打にハイパフォーマンスを披露した。打撃は打率こそ.257ながら、46本塁打、100打点、103得点、さらにキャリア杯の26盗塁をマーク。投げては130回1/3で9勝(2敗)、防御率3.18、156奪三振と、およそ打者とは思えない好成績を残した。

 異彩を放ち続けるサムライに頭を悩ませたのが、敵将たちである。多くの指揮官はやがてなす術を失ない、彼を1塁に歩かせる手段を講じた。デトロイト・タイガースを率いたA.J.ヒンチ監督もそのひとりだ。

 現役時代は捕手としてプレーしたヒンチ監督は、余計な走者を出す四球をなによりも嫌う指揮官だった。それでも、8月16日の対戦で「1番・DH」でプレーした大谷に第1打席でセンター前ヒットを打たれ、その回に1盗塁、1得点を決められると、態度が一変。結果的に5回の打席のうち3回に渡って、申告敬遠を含む四球で歩かせたのだ。

 はたして47歳の智将は対・大谷をいかに考えていたのか。米放送局『FOX Sports』のアナリストであるベン・バーランダー氏のポッドキャスト番組『Flippin' Bats Podcast』に出演した同監督は、次のように答えている。

「対策? できることはないよ。はっきり言って不可能だ。今年、我々がアナハイム遠征したちょうどその後に、彼は週間MVPに選ばれたんだ。おそらくそれは我々の責任だろう。彼はタイガースとの4連戦で本塁打を3、4本放って、同じ週に(先発投手として)6、7イニングを投げたんだからね。週間MVPは疑いないものだった」
 
 そんな大谷は、目下、アメリカン・リーグMVPの最有力候補と見られている。これに関してヒンチ監督は「大きな議論が起きているのは知っている」と前置きしたうえで、「でも他に誰がいるんだい?」と問いかけ、興味深い持論を展開した。

「私は彼の活躍とポテンシャルを間近に見て、本当に感銘を受けた。だから、ショウヘイ・オオタニのいったいどこに反対できるのか? と思うんだ。ブラッドJr.(ゲレーロJr.)のことも好きだし、マーカス・セミエンのような素晴らしいシーズンを過ごした選手も他にいるかもしれない。だが、ショウヘイの成し遂げたことは、すべての観点からしてエリートのパフォーマンスだった。それは明確に記録上に記されるべきだ。

 盗塁について言えば、どんな相手からでも悠々と2、3盗塁できる。完璧なピッチングに関して言えば、94マイルから99マイルのボールと圧倒的なスプリットの持ち主だ。パワーも軽々とホームランを打ってしまう。実際のところ、同一シーズンにこれだけのことを成し遂げられる人間は他に誰もいない。間違いなくMVPとしてその名を刻むと確信している」

 大谷の凄みを目の当たりにし、自身の信条を変えてでも抑えにかかった。そんな指揮官によるMVP推挙の声には、強い説得力が含有されている。

構成●THE DIGEST編集部

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