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鈴木誠也はハーパーやアクーニャJr.よりも上!MLBスカウトが見惚れる理由は打力ではなく守備にあり!?

THE DIGEST編集部

2021.11.27

日本球界では図抜けた守備センスを誇る鈴木(中央)。その能力をハーパー(左)、アクーニャJr.(右)といった球界屈指のスター外野手と比較すると興味深い事実が明らかになった。(C)Getty Images、(C)THE DIGEST

 今冬のメジャー挑戦を決め、話題沸騰となっている鈴木誠也(広島カープ)は、アメリカで一躍ブレイクを果たす可能性は十分にある。少なくともそれだけの期待をさせる力を彼は秘めている。
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 高卒から広島に鳴り物入りで飛び込んだ鈴木。まだ粗さが目に付いたルーキー時代から9年に及んだプロ生活で打力は飛躍的に向上し、生涯打率.315、OPS.985、出塁率.415と、誰もが認めるだけの実績を積んだ。あるスカウトが「94マイル以上の速球打ちは日本球界屈指」と唸る打撃センスは、力勝負が必須とされるMLBでも通用すると期待させる。

 もっとも、鈴木が高く評価されるのは、何も打力に限った話ではない。4年6000万ドルという決して安くはない日本人に対して10球団以上が動く争奪戦が繰り広げられている理由は、ずばり守備にある。

「スズキはツツゴウら近年の日本人野手をはるかに凌駕するスキルを持っている」
 
 これは米データサイト『SIS』の鈴木の守備に対する分析だ。アメリカンスポーツをあらゆる視点からスカウティングしている彼らが、こう訴えるのには、明確な理由がある。それは「守備防御点(DRS)」という指標において27歳のサムライが好成績を収めているからに他ならない。

 DRSとは、リーグ平均と比べて守備でどれだけ失点を防いだかを示す指標だ。MLBにおいてはゴールドグラブ賞を決めるうえでも有益なデータとなっているのだが、鈴木の数値は確かに高い。『SIS』が比較した筒香嘉智の渡米前2年と比較すると以下の通りとなる。

筒香
2018年=レフト「-9」、三塁手「-8」
2019年=レフト「-6」

鈴木
2020年=レフト「6」
2021年=レフト「2」

 DRSは打球処理に加えて送球なども対象となる。それだけに、強肩で知られる鈴木がいかに失点を防ぐのに貢献しているかを如実に物語るデータとも言えるだろう。ちなみにこの2年を合計した数値を、同時期のMLBで比較してみると、彼は1000イニング以上の外野手のなかでは19番目の数字だ。

 だがしかし、「8」はコディ・ベリンジャー(ロサンゼルス・ドジャース)やロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)、ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)といった名だたる外野のスターたちを上回っており、やはり高く評価できる(ちなみにトップは28を記録したジョーイ・ギャロ)。

 コンスタントに3割近い打率とハイアベレージと言えるOPSも残す。それでいて守備でも平均以上のパフォーマンスを見せられる。これこそが広島の和製大砲が、MLBから垂涎の的となり、「東洋からの救世主だ」(『SOX Machine』)とまで期待される理由だろう。

構成●THE DIGEST編集部

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