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カブスが獲得に動き!? 菊池雄星の可能性を高める“シャーザー級の速球”「救いになるかもしれない」

THE DIGEST編集部

2021.11.28

貴重な左腕としても注目を集める菊池(右)。彼のアピールポイントはシャーザー(左)らと同じクラスと評価される速球にある。(C)Getty Images

 MLBのストーブリーグでにわかに注目されているのが、今オフにシアトル・マリナーズからフリーエージェント(FA)となった菊池雄星だ。
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 メジャー挑戦3年目を迎えた今季の菊池は前半戦こそ好調で、初のオールスターにも選ばれた。しかし後半戦に入ってから急失速。自身の代理人を務めるスコット・ボラス氏が「我々の知っているユウセイではなかった」というシーズン終盤には先発ローテーションからも外れ、トータルでは29試合で7勝9敗、防御率4.41、奪三振率9.34という成績に終わった。

 そんな31歳だが、マリナーズに残ることもできた。2022年以降の契約は相互オプションとなっていて、菊池には日本円にして約14億8000万円の契約更新オプションが付帯していたからである。そのなかで先発投手としての価値を改めて証明するため他球団に活躍の場を求めたのだ。

 現状として早々に新天地が見つかるかは不透明な情勢だ。というのも、今オフのFA市場は、サイ・ヤング賞3度の大投手マックス・シャーザー(ロサンゼルス・ドジャース)を筆頭に、今季に防御率と奪三振のタイトルを獲得したロビー・レイ(トロント・ブルージェイズ)、17年WBCでMVPを受賞したマーカス・ストローマン(ニューヨーク・メッツ)、ケビン・ゴーズマン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)ら有力投手が揃っている。ゆえにメジャーでの実績が乏しい菊池が埋没する可能性も小さくないのである。

 だが、全く可能性がないわけではない。すでに現地メディアでも貴重な左腕としてクローズアップもされている。「キクチは獲得リストにいる。実力的にTOP50に入るであろう彼が残っているのは幸運だ」と訴えるのは、古豪シカゴ・カブスの専門メディア『Cubs Insider』だ。
 
 もっとも、同メディアも補強の1番手に挙げているのは、マーカス・ストローマンとジョン・グレイ(コロラド・ロッキーズ)というMLB実績も十分な右腕だ。しかし、「次善策としてはユウセイ・キクチが最適といえるかもしれない」と指摘し、こう論じている。

「ストローマンやグレイが予想以上の金額がかさむ場合は、キクチが救いになるのかもしれない。彼は31歳の左腕で、活躍できるかは不透明な要素もはらんでいるが、平均以上の奪三振率を誇り、球速も90マイル半ばを計測している」

 同メディアが指摘する通り、菊池の速球はMLBでも屈指の水準にある。というのも、今季の4シームの空振り率は30.3%。これはシャーザー(30.7%)に匹敵する数字なのだ。さらに、被打率も.209と優秀で、投手再建の真っ只中にあるカブスへの「アピール材料」となっている。

 予想移籍金額は2年1600万ドル~1800万ドルと見られている菊池。先述のアピールポイントに加え、メカニクスの微調整や配球の工夫などで成績向上が見込めると踏めば、カブスが獲得に本腰を入れる可能性はあるが、果たしてどうなるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
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