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MLB

37歳の大投手シャーザーのメッツ移籍の舞台裏。名物オーナーの“口説き文句”とは?「俺の心を動かした」

THE DIGEST編集部

2021.12.02

今季も15勝をマークしたシャーザー。その健在ぶりにメッツは大金を惜しまなかった。(C)Getty Images

今季も15勝をマークしたシャーザー。その健在ぶりにメッツは大金を惜しまなかった。(C)Getty Images

 今年のMLBのストーブリーグで、球史に残るビッグディールが締結した。現地時間11月29日、ニューヨーク・メッツがサイ・ヤング賞3回、通算190勝の大投手マックス・シャーザーとの契約を発表したのだ。
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 メッツは一気に交渉をまとめ上げた格好だ。「二流のまま止まるつもりはない。私はそういう人間ではない」と語るオーナーのスティーブ・コーエン氏の意向もあり、3年1億3000万ドル(約147億円)という大枚を叩いた。2年目終了後のオプトアウト(契約破棄条項)が付帯するが、年平均4333万ドル(約49億円)は、ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース/3600万ドル)を抜いて歴代最高額である。

 現在37歳のシャーザーだが、球威は微塵も衰えていない。キャリア13年目を迎えた今季は、自身8度目の15勝をマークし、防御率はリーグ2位の2.43。サイ・ヤング賞投票でも3位に入るなど、球界での存在感はいまだ健在だ。

 15年のオフにワシントン・ナショナルズと7年2億1000万ドルの超大型契約を結んだ際にも、不良債権化を危惧されながら史上最高レベルの“コスパ”で完遂したシャーザー。その実績ゆえに大ベテランとなった今冬も複数球団が獲得に乗り出していた。
 
 ではなぜ、37歳の剛腕はメッツ入りを決意したのか。現地時間12月1日に開かれた会見で、「俺にとってはスティーブの誘いが大きかった」とオーナーの口説き文句を明かした。

「スティーブが『勝つためならなんでもしよう』と言ってくれた。それが移籍に向けて、俺の心を動かしたんだ。彼はワールドチャンピオンになるために本気で全力を尽くし、本当に必要なことをやっている。そんなオーナーは、この時代に貴重だと思ったんだ」

 無論、ファンやメディアからのプレッシャーも半端ではない。1986年以来となる世界一を公言しているのだから当然だ。しかし、「ニューヨークでプレーするプレッシャーは俺にとって大した問題にならない。むしろ光栄なことだと思う」と誇るシャーザーには、あっさりとメッツに栄冠をもたらすのではないかという期待をせずにはいられない。

構成●THE DIGEST編集部
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