若手がキャリアを構築していくうえで、レジェンドの教えは重要な意味を持つ。シアトル・マリナーズのフリオ・ロドリゲスにとって、イチロー氏とは生き字引のような存在なのかもしれない。
【動画】イチロー氏との打撃練習! ロドリゲスが放ったムーンショットをチェック
まだあどけなさの残る21歳だが、球界屈指のポテンシャルを持つ超逸材だ。今季のMLBデビューが期待されるロドリゲスは、MLB公式サイトのトッププロスペクトランキングでは全体3位に入るほどに評価されている。昨夏の東京五輪でもドミニカ代表の一員として参戦し、打率.417、1本塁打4打点と打ちまくった。
メディアでも「今後5~10年で、MLBの顔として広告板を飾れる選手だ」(カイル・グレイサー記者)と言われるロドリゲス。無論、昨年11月にメジャー契約を締結したばかりではある。多くの若手有望株がそうであったように、多士済々のMLBで本領を発揮しきれずに埋もれていく可能性もなくはない。
そんな“ルーキー”にとって心強いのが、マリナーズの球団会長付特別補佐兼インストラクターとして、キャンプに帯同しているイチロー氏の存在だ。米メディア『The Athletic』のレポートによれば、二人は昨春のキャンプ時にキャッチボールをするようになってから、いわば、師弟関係を深めているという。
「僕が役に立てるならなんでもするよ」
そう語ってロドリゲスに歩み寄ったというマリナーズのレジェンドは、時にバッティングピッチャーを務めるなど、自ら身体を使って「野球」を伝授してきた。
イチロー氏が、ロドリゲスを熱心に指導するのは、普通の有望株とは異なる何かを感じているからかもしれない。マリナーズ専門サイト『Lookout Landing』では、こう語っている。
「だいたいの人は、僕のところに何かを教わりたいと思ってやってきても、1週間か2週間くらいしたらいなくなる。でも彼はずっと続けている。一貫して、『もっとうまくやりたい』と思っているし、とくに今年は自信に満ちている。まるで自分の将来が見えているようで、『自分がチームの主役になるんだ』『自分を中心にチームを作っていくんだ』という自信がある」
イチロー氏の教えもあり、今春のオープン戦におけるロドリゲスは、打率.316、1本塁打、5打点、OPS.960と好調を維持。早々にレギュラー定着もあり得るほどのパフォーマンスも見せつけている。
球界屈指の安打製造機がメンターとなり、ステップアップを図っているロドリゲス。だが、「僕は人に何かを指図する立場にない」と語るイチロー氏は、こうも語っている。
「彼は去年のスプリングトレーニングのときに、すぐに僕のところへやってきて『あなたとキャッチボールがしたい』と言ってきました。それがすべての始まりでした。とにかく彼はうまくなりたくて、学びを得ようとしていた。それが何よりも大きかった」
はたして、球界屈指のトッププロスペクトは、その期待に違わぬ実力を発揮できるのか。イチロー氏が支える21歳を興味深く見守りたい。
構成●THE DIGEST編集部
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まだあどけなさの残る21歳だが、球界屈指のポテンシャルを持つ超逸材だ。今季のMLBデビューが期待されるロドリゲスは、MLB公式サイトのトッププロスペクトランキングでは全体3位に入るほどに評価されている。昨夏の東京五輪でもドミニカ代表の一員として参戦し、打率.417、1本塁打4打点と打ちまくった。
メディアでも「今後5~10年で、MLBの顔として広告板を飾れる選手だ」(カイル・グレイサー記者)と言われるロドリゲス。無論、昨年11月にメジャー契約を締結したばかりではある。多くの若手有望株がそうであったように、多士済々のMLBで本領を発揮しきれずに埋もれていく可能性もなくはない。
そんな“ルーキー”にとって心強いのが、マリナーズの球団会長付特別補佐兼インストラクターとして、キャンプに帯同しているイチロー氏の存在だ。米メディア『The Athletic』のレポートによれば、二人は昨春のキャンプ時にキャッチボールをするようになってから、いわば、師弟関係を深めているという。
「僕が役に立てるならなんでもするよ」
そう語ってロドリゲスに歩み寄ったというマリナーズのレジェンドは、時にバッティングピッチャーを務めるなど、自ら身体を使って「野球」を伝授してきた。
イチロー氏が、ロドリゲスを熱心に指導するのは、普通の有望株とは異なる何かを感じているからかもしれない。マリナーズ専門サイト『Lookout Landing』では、こう語っている。
「だいたいの人は、僕のところに何かを教わりたいと思ってやってきても、1週間か2週間くらいしたらいなくなる。でも彼はずっと続けている。一貫して、『もっとうまくやりたい』と思っているし、とくに今年は自信に満ちている。まるで自分の将来が見えているようで、『自分がチームの主役になるんだ』『自分を中心にチームを作っていくんだ』という自信がある」
イチロー氏の教えもあり、今春のオープン戦におけるロドリゲスは、打率.316、1本塁打、5打点、OPS.960と好調を維持。早々にレギュラー定着もあり得るほどのパフォーマンスも見せつけている。
球界屈指の安打製造機がメンターとなり、ステップアップを図っているロドリゲス。だが、「僕は人に何かを指図する立場にない」と語るイチロー氏は、こうも語っている。
「彼は去年のスプリングトレーニングのときに、すぐに僕のところへやってきて『あなたとキャッチボールがしたい』と言ってきました。それがすべての始まりでした。とにかく彼はうまくなりたくて、学びを得ようとしていた。それが何よりも大きかった」
はたして、球界屈指のトッププロスペクトは、その期待に違わぬ実力を発揮できるのか。イチロー氏が支える21歳を興味深く見守りたい。
構成●THE DIGEST編集部