専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

批判も噴出する“大谷ルール”。百戦錬磨の指揮官たちは導入をいかに考えているのか「エンジェルスに有利」「みんなが彼を見たがっている」

THE DIGEST編集部

2022.04.09

大谷(中央)の二刀流のために施行されたと言っても過言ではない新ルール。それにロバーツ(左)とベイカー(右)の両指揮官はどのような考えを持っているのか。(C)Getty Images

大谷(中央)の二刀流のために施行されたと言っても過言ではない新ルール。それにロバーツ(左)とベイカー(右)の両指揮官はどのような考えを持っているのか。(C)Getty Images

 ついにMLBの歴史を変える新ルールがお披露目となった。今季の開幕直前に導入が決定したいわゆる“大谷ルール”だ。
【PHOTO】世界が驚嘆する偉才・大谷翔平のキャリアを厳選ショットで一挙公開!花巻東、日ハム、エンジェルスでの活躍を振り返る

 同ルールは「投手」でスタメンに名を連ねた選手が、降板後にはDHとして試合出場を続けられるというもの。そもそもは、昨年7月のオールスター戦で大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)を投打で起用するために適用された。

 それがついに公式戦で実施されたのだ。現地時間4月7日に行なわれたヒューストン・アストロズとのMLB開幕戦で他でもない大谷が「1番・投手兼DH」で先発。5回途中の降板後も打者として出場を続けたのだ。

 もっとも、現時点で球界には二刀流としてプレーする選手が大谷しかいないため、批判も噴出。米紙『Daily Journal』のベテランコラムニストであるジョー・グザード氏が「エンジェルスのショウヘイ・オオタニという選手個人に対する特別なルールが承認された」「馬鹿げている」と真っ向から反論したように、エンジェルスと大谷“にだけ”利益をもたらすという意見が相次いだのだ。
 では、実際に大谷と対する策を講じなければならないMLB球団の監督たちは、DHルールの改変をどう捉えているのか。開幕戦の直前に地元紙『Houston Chronicle』などの取材で「どれだけ二刀流を続けられるかは分からないけど、彼はずば抜けたアスリートであり、とても謙虚な素晴らしい選手だ」と褒めちぎったアストロズのダスティー・ベイカー監督は、続けざまに持論を展開した。

「彼は良い選手に決まっている。球界がルールを変えてしまうほどなのだからね。新しいルールが彼ら(エンジェルス)にとって有利かって? そうりゃあそうさ。間違いなく有利だし、オオタニにとっても有利に働くだろうね。そして、なによりもファンにとって良いルールだ」

 御年72歳でMLB通算1988勝を誇る名将のようにルールを好意的に捉える指揮官は他にもいる。ロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、同球団の専門メディア『Dodger Blue』で「素晴らしい変更だと私は思う」と力説している。

「ショウヘイは言うまでもなく特別な選手だ。そして何よりも試合は選手やファンのためにある。そして我々はルールのなかでプレーするのが仕事だ。みんながショウヘイのプレーを見たがっているんだから、そういうルールを設けるのは悪いことじゃない。もちろん、ドジャースにとっては彼が打ち続けない方がいいんだけどね(笑)。だけど、ファンにとっては彼が投げ終えた後もDHとして、試合に残り続けた方がいい」

 いまだ賛否両論が渦巻いている「大谷ルール」。百戦錬磨の指揮官たちが「ファンのため」と好意的に捉えている改正は、シーズンを通してどう評価が変わっていくのか。本人の活躍とともに見守りたい。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】是非を問われた大谷ルールをエンジェルスと同地区の敵将はどう見る? 「対戦相手としては嫌」としながら“本音”を語る

【関連記事】“大谷ルール”の施行に米記者が「最も笑える」と皮肉! 「個人に対する特別なルールが承認された」と持論

【関連記事】「オオタニに無礼だ」大谷翔平への“矛盾分析”で炎上した米記者に専門メディアが異論「知識のなさを露呈している」
NEXT
PAGE

関連記事

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号