現地時間6月4日のフィラデルフィア・フィリーズ戦で２対７と敗れ、2016年８月以来となる10連敗を喫したロサンゼルス・エンジェルス。この日も初回に5点を奪われるなど、序盤から相手に主導権を握られると、打線も3回と5回にそれぞれ１点を返すのが精いっぱいだった。

　最大11もあった貯金もゼロになったチームにあって、とくに悪目立ちしてしまっているのは、大谷翔平とマイク・トラウトの二本柱だ。前者は直近７試合で打率.208、本塁打２と相手の警戒に苦戦を余儀なくされ、後者は自己ワーストとなる23打席ノーヒット（４日時点）と大不振。自ら「どんどんと考えすぎてしまっている」と語るほどに状態は芳しくない。

　打線の軸となってきた二大スターが明らかな不振に陥り、もはや春先の好調ぶりがすっかり影を潜めてしまったエンジェルス。そんなポストシーズン進出に向けた勢いを取り戻せずにいるチームには、現地メディアも厳しい反応を示している。

　ロサンゼルスに拠点を置くスポーツサイト『CULTCHPOINTS』は、大谷とトラウトに関する特集記事を掲載。そのなかで「MLBはエンジェルスが2022年に状況を好転させなければ、大きな問題を抱えることになるかもしれない」と指摘した。
  　まず、この両スターについて同メディアは、「今の野球界で最も知名度が高く、人気のある選手でもある」と強調。続けて「負け組のスターを世間で売り込むのは、簡単なことではない。MLBはエンジェルスの最も注目すべきストーリーが、連敗を中心に展開されることを必要としていない」と、球界の繁栄をしていくうえでのシビアな意見を寄せた。

　そう指摘する理由として同メディアは、NFLやNBAのスターを引き合いに出し、「レブロン・ジェームズ、スティーブン・カリー、トム・ブレイディ、ジョー・バロウなどは、単なるアスリート以上の存在だ。この4人の選手で際立っているのは全員が勝者であるからだ」と指摘。何よりも優勝という実績を持つ重要性を説いた。

　そのうえで「MLBはショウヘイ・オオタニやマイク・トラウトの人気と才能を売り込むことを望んでいる」と訴えた同メディアは、「もし、ヘイロウズ（エンジェルスの愛称）が８シーズン連続でポストシーズンに進出できなかったら、リーグにとって大きな問題となるだろう」と予測した。

　スター選手を抱えるチームの苦悩、そしてリーグ全体の思惑――。それらを代弁するかのような現地メディアの言葉の数々は、エンジェルスにどんな影響を及ぼすだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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