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プロ野球

【前半戦通信簿|広島】鈴木誠也がいなくなっても大健闘!ただし、パワーとブルペン陣には改善の余地あり<SLUGGER>

Yuma

2022.07.26

ポスト誠也として主砲に君臨するマクブルーム。パワー不足に苦しむ中で、チームが健闘している要因となっている。写真:徳原隆元

ポスト誠也として主砲に君臨するマクブルーム。パワー不足に苦しむ中で、チームが健闘している要因となっている。写真:徳原隆元

広島
46勝46敗3分 勝率.500(2位タイ/11.0ゲーム)
平均得点:3.94(2位)
平均失点:3.69(2位)
得失点差:+23(3位)

▼前半戦通信簿:まずまずです
 鈴木誠也のMLB移籍もあり、最下位予想が大半を占める中での開幕となったが、前半戦は2位ターンと予想を上回る結果を残した。

 総合的な勝利貢献度を現すWARの観点で投打を振り返ると、野手は、1位ヤクルト(16.3)と差は大きいもののリーグ2位の11.7と健闘を見せた。
 
 新加入のマクブルームが本塁打・打点・OPSでチームトップと主砲として申し分ない働き。OPS.800前後を記録した主力の西川龍馬、坂倉将吾に加えて、上本崇司の覚醒もあり、得点力の落ち込みを最小限に抑えた。

 また、昨年は大きな課題だった守備力も、小園海斗の成長や三塁手・坂倉の好守で内野守備力は大幅に改善。外野もルーキー・中村健人の奮闘などもあり、チームUZRはリーグ5位から2位まで改善されている。

 一方、投手陣の合計WARは2位DeNA(13.8)と僅差の3位(13.6)とこちらも健闘。大瀬良大地、森下暢仁、久里亜蓮の先発三本柱に床田寛樹、遠藤淳志、アンダーソンが加わった先発陣は防御率はリーグ2位と好結果を残している。

 ただ、課題のブルペンは、当初期待された島内颯太郎、中崎翔太が振るわず、「魔の8回」と称されたように勝ちパターンの構築に苦戦した。5月以降は森浦大輔が8回に定着したことで状況は改善されたが、層の厚さという点には依然として不安を抱えている。先発のイニング数がリーグトップという事実からも、強力な先発陣が不安定なブルペンを助けた前半戦だったと言えそうだ。
 
▼後半戦へのポイント
・秋山翔吾のNPBへの早期適応
 平均得点はリーグ3位と一定の得点力は有するが、長打力に欠ける分、現状は試合あたりの得点のバラつきが大きい。後半戦より安定した戦いを続けるには、メジャーから復帰した秋山翔吾の活躍は欠かせないだろう。

 加入後最初の11試合は打率.171、1本塁打とスロースタートでファンを心配させていたが、22・23日のヤクルト戦で9打数7安打、2本塁打と大爆発。西武時代には17年から3年連続20本塁打以上を記録するなど、元々水準以上の長打力を持ち合わせているだけに、本来の打棒が戻れば大きなプラスになるはずだ。

・リリーフ陣にさらなる厚みを
 後半戦に入ると、先発陣に疲労の色が濃くなることが想定される。そこをリリーフ陣でカバー出来るかが重要になるだろう。森浦、栗林良吏の2名を除くリリーフ陣は、現状では完全な信頼を得られていない。7回を担うこともある矢崎拓也、ターリーに加えて、中崎翔太やフランスアといった実績組の奮起にも期待したいところだ。

文●Yuma

【著者プロフィール】
1994年生まれ。シーツ・ラロッカの外国人二遊間に魅せられて以降、15年来の広島ファン。Twitterやnoteにて、主に広島の各選手や戦力についての分析を行っている。好きな選手は同い年の鈴木誠也。Twitter IDは@yumambcp。

データ提供:DELTA
 
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