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問われるのは記者の野球観!? 大谷翔平vsジャッジのMVP論争で元MLB戦士が持論「みんな慣れてしまったのか?」

THE DIGEST編集部

2022.09.07

大谷とジャッジ。互いに凄まじいスタッツを残している大スターによるMVPレースが白熱している。(C)Getty Images

大谷とジャッジ。互いに凄まじいスタッツを残している大スターによるMVPレースが白熱している。(C)Getty Images

「投票権を持っている人にとっては厳しい選択になると思う」

 現地時間9月5日に行なわれたデトロイト・タイガースとロサンゼルス・エンジェルスの一戦を解説した元MLB投手のジャック・モリス氏が放った言葉だ。通算254勝をあげた往年の大投手は、「勝っているチームの一員であることは、勝っていないチームにいることに比べていくらか価値がある」とアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)を推挙したうえで、そう論じたのである。

 昨年9月の解説で大谷翔平(エンジェルス)を語った際に、差別的な言葉遣いが物議を醸したモリス氏。そんな“名物解説者”の赤裸々な言葉にあるように、大谷とジャッジがトップと予想される今季のMVPレースは投票権を持つ記者にとって悩みの種だ。

 数字だけを見れば、互いに甲乙はつけがたい。ジャッジは往年の大打者ロジャー・マリスが残したア・リーグ年間本塁打記録(1961年の61本)超えを射程圏内とする54本塁打をマーク。一方で大谷は史上初となるシーズン「30本塁打+2桁勝利」を達成。依然として二刀流で唯一無二ぶりを見せつけている。

 さらに最近の打撃成績を見れば、ますますMVPは断言しにくくなる。ジャッジと大谷の直近7試合での主なスタッツは以下の通りだ。

ジャッジ:打率.478、5本塁打、長打率1.217、出塁率.586
大谷:打率.414、5本塁打、長打率1.000、出塁率.469
 
「どちらも受賞させたい」――。そんな言葉もSNSで目立ち始めている“壮大なレース”と化している。そんななかで持論を唱えたのは、MLB公式ネットワーク番組『MLB Tonight』で解説を務めるショーン・ケーシー氏だ。かつてシンシナティ・レッズなどで活躍した名スラッガーは「ポイントとなるのは去年の活躍だ」と主張し、こう語気を強めた。

「去年のオオタニの活躍がなければ、私も『50本以上も打って、61本を超えるペースだぞ』と言う。だが、たとえば、去年の活躍がなくて、初めてこれだけの支配的なパフォーマンスをオオタニがやっていたなら独り勝ちだ。誰も文句は言わないはずなんだ。

 でも、2年連続で凄いからみんな慣れてしまったのかもしれない。ハッキリ言って理解できないね。オオタニは野球界で誰もやったことがないことをやっているんだ! いいかい? 一度もだよ? オオタニがMVPだ」

 近年のMVP選出の際に重要な指標となっている「bWAR」も8.4のジャッジに大谷が8.1で肉薄。やはりタイトルの行方を断言できるほどの差はない。ゆえにモリス氏も指摘する通り、投票権を持つ記者の野球観が問われそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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