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697号の記念球返却を固辞! プーホルスが見せた家族を亡くしたファンへの“漢気”行動が話題に「善意に溢れた振る舞いだ」

THE DIGEST編集部

2022.09.12

大台へにじり寄るプーホルス。そんな大打者が見せた行動は漢気に溢れるものだった。(C)Getty Images

大台へにじり寄るプーホルス。そんな大打者が見せた行動は漢気に溢れるものだった。(C)Getty Images

 大記録を目前する大打者の行動が話題となっている。

 注目を集めているのは、セントルイス・カーディナルスのアルバート・プーホルスだ。現地時間9月11日に敵地で行なわれたピッツバーグ・パイレーツ戦で、1点ビハインドの9回表に今季18号となる逆転3ランをマークした。

 大台に迫る一発は値千金の特大アーチとなった。無死二塁という好機で打席に入った42歳のレジェンドは、相手右腕チェース・デヨングがカウント2-0から外角高めに投じた93.4マイル(約150.7キロ)の4シームをジャストミート。弾き返した打球はセンター方向へぐんぐんと飛距離を伸ばし、バックスクリーン右横に着弾した

 これでアレックス・ロドリゲスが残した696を抜き、通算本塁打数は「697」に。歴代単独4位となったプーホルスは、バリー・ボンズ(762)、ハンク・アーロン(755)、ベーブ・ルース(714)と3人しか到達していない通算700本の大台に残り3本と迫った。

 そんな文字通りメモリアルな一打を放ったプーホルス。試合後にはレジェンドらしい振る舞いがクローズアップされた。
 
 球場全体が湧きかえったプーホルスの697本目のホームラン。そのボールを手にしたのは、パイレーツファンのマットとサマンサのブラウン夫婦だった。試合後に彼らは係員を通じて打った本人のもとへボールを返却しに出向いた。「記念に取っておきたいはずだから」と。

 しかし、1年前に父を亡くしていたサマンサさんの話を聞いたプーホルスは、「そのボールは君たちが持っていてくれ。僕はすでにボールをいっぱい持っているからね」と返却ボールの受け取りを辞退。さらに夫婦それぞれにサインボールを手渡したのだ。

 サマンサさんが涙したという堂々たる振る舞いには賛辞が殺到した。カーディナルスの地元紙『St Louis Post Dispatch』が「ボールの重要性を考えれば、善意に溢れた振る舞いだ」とレポート。そして、当のプーホルスのコメントを紹介している。

「ただの野球ボールだ。それに僕なんかよりも彼らの方が持っているにふさわしいと思ったんだ。それに僕らがプレーする理由はファンのためだ。彼らのためになるなら、ボールぐらいは何でもない」

 今季終了後の引退を決意しているプーホルス。そのレガシーはたとえ700号に到達せずとも、色褪せはしないだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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