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大谷翔平の歴史的活躍は計測不可!? 米専門家が“最大の障壁”ジャッジとの比較に意見「オオタニはWARの限界を示した」

THE DIGEST編集部

2022.09.13

連日のようにさまざまな話題を振りまいている大谷。その圧倒的な活躍はデータでも計測できない領域に達した!?(C) Getty Images

 球界で"最も価値がある男"は誰か――。ここ数か月、米球界ではこのテーマに関する話題が尽きない。

 話題の中心にいるのは、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)だ。目下、ア・リーグのMVPレースでトップ争いを繰り広げる両雄は、ともに凄まじいパフォーマンスを連日のように見せ続けている。

 もっとも、近年のMVP投票で有益とされてきた指標「WAR」で単純に比較をすれば、9.3(fWAR)を記録するジャッジが大谷を上回っている。米データ専門サイト『Fan Graphs』も「地球上誰よりもボールを粉砕している男は、オオタニにとって最大の障壁になる」と強調。その打力がもたらす効果は絶大だ。

 だが、「各ポジションの代替可能選手に比べてどれだけ勝利数を上積みしたか」を統計的に推計したWARには不透明な部分は多い。とりわけ投手と指名打者を兼務する大谷の特殊性が「価値」として数値化してきれていないのではないかという声はある。
 
 日夜、メジャーを中心に野球界のありとあらゆるデータをまとめる『Fan Graphs』も、この点を危惧している。「DHと投手という2つの顔を持つオオタニの唯一無二のパフォーマンスが持つ価値を明確に定義するものはない」とし、米野球分析家のラッセル・カーレトン氏によるWARへの指摘を紹介した。

「オオタニのようなケースは、WARの限界を示している。それは彼のような柔軟性を持った選手を数字で表すために設計されていない」

 ジャッジと大谷の活躍は共に歴史に残るほど記録的だ。そんな二人の比較は、『Fan Graphs』が「活躍を当然なものと見なさない限り、正解はない」というように簡単ではない。我々は、それだけ奇跡的な瞬間に立ち会っていると言っても過言ではないはずだ。

構成●THE DIGEST編集部

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