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プロ野球

前年最下位→2位浮上。三浦ベイスターズはいかにして変貌したのか。快進撃で手にした確かな「自信」

萩原孝弘

2022.09.29

就任1年目の最下位から今季は2位と大きく飛躍。三浦ベイスターズの快進撃を、指揮官はどう見ているのか。写真:萩原孝弘

就任1年目の最下位から今季は2位と大きく飛躍。三浦ベイスターズの快進撃を、指揮官はどう見ているのか。写真:萩原孝弘

 三浦大輔が満を持してDeNAの一軍監督に就任した2021年は最下位、今年も6月27日時点では借金9の5位と低空飛行が続いていた。ところが、そこから急加速であっという間に2位まで浮上し、一時期は首位ヤクルトにゲーム差4まで肉薄。

 結果的には25日の直接対決に敗れて2位が確定したものの、なぜわずか1年でこうも劇的にチームは変貌したのか。“立役者”となった三浦監督の言葉とともに紐解いてみよう。

 三浦監督は日頃から、「7月の接戦を勝ち切れたことが8月につながった」と好調の要因を口にしている。しかし、成績が上向いたターニングポイントは6月28日の阪神戦での3連勝だろう。そこから8月まで30勝13敗2分、勝率.698と驚異のペースで勝ちを拾っていった。

 監督は「ユニフォームもあるんじゃないですかね」と、6月28日からの『I☆YOKOHAMAシリーズ』で着用した特別ユニ効果とおどけつつ、「ホームということでたくさんのファンが勢いをつけてくれましたからね」として、ファンの存在が支えてくれたことも言及した。

 実際、この3連戦から8月21日まで、本拠地横浜スタジアムで球団記録となる破竹の17連勝を樹立。猛暑の8月に16試合もホームゲームが組まれていたこともあり、チームは一気にヒートアップしていった。
 
 さらに、三浦監督は「先発投手がしっかりとゲームを作ってくれたことが大きな要因だと思います」と、先発陣の働きにも満足な様子を浮かべていた。6月のQS(6イニング以上を投げて自責点3以下)率は26.1%とかなり低い数字だったのが、7月は42.1%、8月は62.5%と向上。先発ローテーションが安定して試合を作れたことで、どのゲームも常に勝利を狙える状況だった。

「相乗効果ですね。試合が続く中で先発陣も、リリーフもつないで続けていけました。打線も全員が絶好調ではなかったわけですから、みんなでカバーしてつなげていけたということが、ああいう結果になりました」と指揮官。好投を見せた先発陣の勢いは次第にチーム全体へと波及し、好循環を生み出していった。

 6月後半からの快進撃は簡単な試合ばかりではなかった。その間の30勝のうち、2点差以内での勝利が18試合、3点差以内が23試合もあった。しかし、「接戦でしんどい試合が続いていたと思うんですけど、でもその中で勝ち切れたってことが、選手の自信につながったと思いますし、チームの自信にもなりました」。三浦監督は緊迫した試合で得られた“経験”が“自信”につながったと語っている。

「切り替えてCSへつなげる野球をする」。目標を再設定した三浦ベイスターズは、確かに掴んだ自信とともに下剋上を目指していく。
 
写真・取材・文●萩原孝弘 
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