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プロ野球

新体制の“命運”を握る佐藤輝明。忘れられない岡田彰布新監督の叱咤「どう考えても、もっと打てるでしょ」「物足りない」

THE DIGEST編集部

2022.10.16

いまだポテンシャルを最大級に発揮しきれずにいる佐藤。そんな若虎に岡田新監督は厳しい言葉を投げかけ続けてきた。(C)THE DIGEST

いまだポテンシャルを最大級に発揮しきれずにいる佐藤。そんな若虎に岡田新監督は厳しい言葉を投げかけ続けてきた。(C)THE DIGEST

 優勝の味を知る男が、15年ぶりに縦ジマのユニホームに身を包む。

 10月15日、阪神タイガースは、来季の指揮官として岡田彰布氏の就任を正式発表。セ・リーグクライマックスシリーズファイナルステージ第3戦で4年間に渡った矢野燿大政権が終幕した翌日に、早々と変革を打ち出した格好となった。

 現役時代の1985年には球団史上初の日本一を経験した岡田氏は、指揮官として舞い戻った2005年にリーグ優勝を経験。阪神にとっては「優勝請負人」とも言える人物であり、若手主体のチームにあっては、その豊富な経験値と観察眼が活かされると睨んでの抜擢でもあるだろう。

 そんな岡田氏がかねてから気にかけている“若虎”の一人が佐藤輝明だ。

 もっとも、今季の佐藤が全く振るわなかったのかと言えばそうではない。プロ2年目ながら打率.264、20本塁打、84打点、OPS.798をマーク。相手バッテリーの厳しい警戒の中でも、阪神では田淵幸一氏以来、左打者ではNPB史上初となるルーキーイヤーから2年連続で20本塁打を達成するなど、少なからず成長の兆しは見せた。

 しかし、佐藤は好不調の波が激しく、得点圏打率.250とチャンスで凡退する場面もあったのは事実。シーズン終盤には打席内で狙い球に迷い、バットを出し切れずに苦虫をかみ潰したような表情で打席を後にするシーンもあった。
 
 岡田氏が懸念していたのは、まさにそこである。9月28日に行なわれた東京ヤクルトスワローズ戦でラジオ中継のゲスト解説を務めた際には「このくらいの数字じゃ物足りない」とゲキを飛ばした。

「ホームラン20本で終わるバッターじゃない。どう考えても、もっと打てるでしょ。ホームラン」

 自身も現役時代には猛虎のクリーンナップの一角を担った。そうした経験から「阪神のスラッガー」が背負う重責は熟知している。だからこそ、岡田氏は期待を懸け、あえて厳しい言葉を投げかけているのかもしれない。

 奇しくも矢野・阪神が終幕の崖っぷちに立たされた13日のヤクルト戦(セ・リーグクライマックスシリーズファイナルステージ第2戦)では、無死一塁の好機で見逃し三振を喫した23歳に、自らの持論を投げかけている。

「打てないところを打てるようにする必要ない。(苦手なところを)打てるようにと思って変えて、失敗することの方が多い。何で苦手なところ、弱点を打たなきゃいけないのか。基本的に打たないところが7割じゃないですか。打てるところは3割」

「自分のスイングできないから飛ばない。今までホームランにしてないボールをホームランにしようとしてるから、自分のスイングじゃない」

 捲土重来を果たす意味でも、岡田氏がいまだポテンシャルを完全に解放しきれずにいる佐藤へメスを入れるのは必至。そのなかで期待の若虎がいかに成長を遂げるのかは、“シン岡田・阪神”の命運を分けそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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