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二転三転の末、メッツと破談してツインズと「元サヤ」。故障への懸念で200億円も減額されたカルロス・コレアの失意<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.01.11

攻守を兼備した球界屈指の遊撃手として知られるコレア。このオフは超メガディール獲得が確実視されていたが……。(C)Getty Images

攻守を兼備した球界屈指の遊撃手として知られるコレア。このオフは超メガディール獲得が確実視されていたが……。(C)Getty Images

 FA市場を賑わせてきた“カルロス・コレア狂騒曲”がついに決着した。

 1月10日(現地)、球界屈指のショートストップはツインズと6年2億ドルで契約合意に達した。ツインズは昨季も在籍した“古巣”で、再契約ということになる。

 それにしても、今オフのコレアの動向をめぐる顛末はFA史上でも他に例を見ないものだった。改めて彼の足跡を振り返っておこう。
▼10月13日
コレアはオプトアウト条項を行使して、ツインズとの残り2年間の契約を破棄。正式にFAとなった。

▼12月13日
ジャイアンツと13年3億5000万ドルで契約合意。

▼12月21日
身体検査の結果への懸念から、ジャイアンツ入団会見が突如中止。同日、メッツと12年3億1500万ドルで契約合意。

▼12月24日~
メッツも身体検査の結果に懸念を示し、交渉が暗礁に乗り上げる。

▼1月10日
ツインズと6年2億ドルで契約合意。

 周知のように、これほど二転三転した理由はコレアの故障歴、具体的には右足下腿部の状態にある。マイナー時代の2014年、コレアはスライディングを試みた際に右腓骨を骨折。手術を受けて、プレートを埋め込んだ。
 ジャイアンツもメッツも、この右足の状態が長期的に見てリスクになると判断。メッツは打開案として、毎年、右足の検査を義務付ける条項を契約に加えようとしたが、コレア側は拒否して破談に至ったという。

 ただ、コレアにとっては何とも歯がゆい結果になった。3億5000万ドルを手にしたはずが3億1500万ドルとなり、最終的には2億ドル。それでも気が遠くなるような大金であることに変わりはないが、最終的に1億5000万ドル、日本円にして約462億円から264億円、200億円も減額されたことになる(もっとも、ツインズとの契約には3年の相互オプションがついており、最大で10年2億7000万ドルになる)。

 そもそも、このオフはコレアにとって“リベンジ”の機会だった。21年終了後にアストロズをFAとなり、総額3億ドル以上のメガディール獲得を目指していたが、ロックアウトによりFA市場が凍結。思うような条件を得られず、22年オフに再びFAになることを狙ってツインズと実質1年契約を結んだ、という経緯があった。

 にもかかわらず、自らが望んだ額とはかけ離れた条件を呑むしかなかった。こうなったら、2年続けて失意のオフを過ごした怒りをバットにぶつけ、改めて自らの価値を証明するしかない。2023年のコレアはこれまで以上に要注目の選手になりそうだ。

構成●SLUGGER編集部
 
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