３月９日、ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）プールBの１次ラウンドが東京ドームで開幕した。侍ジャパンの初戦は中国代表と戦い、8対1で完勝。３大会ぶりの世界一奪還へ、幸先良いスタートを切った。

　侍ジャパンの開幕投手に指名されたのは、日米を席巻する二刀流・大谷翔平だった。最速160キロをマークするストレート、切れ味鋭いスライダーを武器に中国打線を沈黙させた。4回49球を投げ、被安打1、奪三振5、無失点の力投を見せた。

　また、「３番・指名打者」としてスタメンにも名を連ねた大谷はバットでもチームに貢献。４回には１死一、三塁のチャンスで打席が回ってくると、カウント1-1から３球目のツーシームを左中間へ、あわや本塁打というような大きな打球がフェンスに直撃する2点タイムリー二塁打を放ち、WBC初打点をマークした。

　５回以降は指名打者に専念。７点差でリードした８回には２死満塁で、一打出ればコールド勝ちという絶好の場面。外角低めの真っ直ぐを打ち返したが、結果はセンターフライ。打った後は悔しい表情を見せたが、4打数2安打2打点とマルチ安打の活躍を披露した。
  　もちろん、この日のヒーローだった大谷は「序盤から重たいゲームでしたけど、打線もつながって勝つことができた」と初戦を勝利できたことに安堵した。

　二刀流での出場だったことについては、「ゼロで抑えるつもりで、球数決まってましたけど、その中でゼロに抑えることを考えていた」と言い、「ストライク先行で、どの球種も良かった。明日はバッターで切り替えて頑張っていきたい」と答えると、ファンから大きな歓声を受けた。

　そして10日の韓国戦の話題になると、東京ドームを満員にしたファンに向けて「先発はダルビッシュさんなので。援護できるように、僕自身も頑張りたい」と、韓国戦の先発投手はダルビッシュ有だと先行発表。突然のサプライズに球場は「オ～」とどよめき、大谷は少し笑みを浮かべていた。
　
　最後はファンに向かって、「夜遅くまで最後まで残って感謝してます」と言うと、「まだまだ足らないので、もっと大きな声援をお願いします」と煽り、大きな喝采を受けた。

　WBC初戦を白星スタートで飾った侍ジャパン。投打でチームを牽引し、ファンを魅了した「ショウタイム・第１夜」は、最高の形で終わった。　

構成●THE DIGEST編集部

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