ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）で脚光を浴びたチェコ代表選手が、晴れて市民権を獲得した。

　現地４月14日、チェコ野球協会が公式ツイッターを更新。「公式情報です」と記して、「ウィリー・“ザ・ロック”・エスカラがワールド・ベースボール・クラシックにおけるチェコ・スポーツ界への貢献を称えられ、チェコの市民権を獲得しました。ようこそ我らがファミリーへ」と報告した。

　エスカラ外野手は現在24歳。アメリカのマイアミで生まれ育ち、チェコとキューバにルーツを持つ。今回のWBCを前に開催された世界予選からチェコ代表に選ばれ、レフトで好守備を披露しながら打撃でも活躍。本大会の１次ラウンドでもレギュラーを張った。日本のファンにとって印象深かったのはやはり、日本代表・佐々木朗希投手とのやり取りだろう。

　日本戦でも先発出場したエスカラは、佐々木の161キロの豪速球を右ひざに受けて悶絶。不屈の闘志で立ち上がってプレーを続行して東京ドームのファンを沸かせた。翌朝には佐々木本人がお詫びを兼ねてチェコ代表の宿舎を訪れ、エスカラに両手いっぱいのお菓子をプレゼント。微笑ましい交流は日本国内だけでなく、欧米メディアで大々的に報じられた。
  　そんなエスカラが、以前から申請していた市民権を取得した。協会公式SNSはチェコ代表のオフィシャルスーツを着て、発効されたばかりの真新しいパスポートを手に笑みを浮かべるエスカラの写真を紹介。本人は「公式にチェコ人になれて誇りに思います」とコメントを書き込んだ。チーム主将のペトル・ジーマ外野手が「彼は私たちのもの」と綴れば、日本のファンからも祝福のメッセージが相次いで寄せられている。

　今季からエスカラはチェコの国内リーグでプレーしている。WBCまで一度も踏んだことがなかった“第２の祖国”に生活の拠点を置き、今秋にチェコで開催される欧州選手権に向けてモチベーションを高めている。

構成●THE DIGEST編集部

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