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侍ジャパン

「どこかを破壊されたかと…」WBCチェコ代表戦士が佐々木朗希の“豪速球死球”を浴びた瞬間を回想!「彼は真の人格者だ」

THE DIGEST編集部

2023.04.16

佐々木(左)との心温まるエピソードで話題を集めたエスカラ(右)。チェコの市民権を取得した(写真は公式インスタグラムより)。

佐々木(左)との心温まるエピソードで話題を集めたエスカラ(右)。チェコの市民権を取得した(写真は公式インスタグラムより)。

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が閉幕して早や3週間。それでもいまだにツイッター上でたびたびトレンドワード入りするのが「チェコの選手」だ。セミプロ軍団ながら、溌溂とした全力プレーで観衆を魅了したチェコ代表チーム。彼らへの関心は、まだまだ根強いようだ。

 現地4月13日にはチェコのペトル・フィアラ首相がWBCの代表メンバーたちをサプイライズで官邸に招待。「君たちは野球を本業としていないアスリートにもかかわらず、野球に情熱のすべてを傾けてきた。そしてあのような国際大会で技術、チームワーク、忍耐力を発揮して、プロであるライバルたちと肩を並べて闘ったんだ。本当に誇りに思う。努力の賜物であり、素晴らしい偉業だ」と絶賛し、選手やチームスタッフに記念の賞状とライオンのラペルピンを贈呈した。

 チェコ国内で完全にマイナースポーツだった野球の知名度は一気に高まり、すでに開幕したチェコ野球リーグの様子を取り上げるメディアも少なくない。そんななか、地元メディア『iDNES』がウィリー・エスカラ外野手をインタビューで直撃。アメリカ生まれでチェコとキューバにルーツを持つエスカラは、現地金曜日に待望の市民権を取得したばかりだ。真新しいパスポートを手に微笑む画像をSNSにアップしていた。

 そしてエスカラと言えば、やはり日本代表・佐々木朗希投手とのエピソードが印象深い。1次ラウンドの日本戦で先発出場したエスカラは、佐々木の161キロの豪速球を右膝に受けて悶絶。不屈の闘志で立ち上がってプレーを続行して東京ドームのファンを沸かせた。翌朝には佐々木本人がお詫びを兼ねてチェコ代表の宿舎を訪れ、エスカラに両手いっぱいのお菓子をプレゼント。微笑ましい交流は日本国内だけでなく、欧米メディアでも大々的に報じられた。

 インタビューではまずデッドボールを受けた瞬間を回想。「あの感覚はおそらく一生忘れないだろうね。何かを壊してしまったんじゃないかと思ったよ」と最初は危機的状況を思い浮かべたが、「意外とすぐに動けたし、心配無用だった。十分にプレーできる状態で、今では膝の傷もすっかり治って万全さ。合併症もなく、打撲や挫傷が少しあっただけでね。この2週間はリーグ戦にも出場しているよ」と明かした。
 
 翌日の佐々木訪問については、あらためて「感謝しかない」と振り返る。

「考えられない行動だよ。普通はみんなグラウンドで謝って終わりだからね。会いに来てくれて本当に嬉しかったし、サインボールをくれたり、一緒に写真を撮ってくれたり。チームメイトたちが『俺にも直撃してたかも』ってジョークでいじっても微笑んでいた。彼は真の人格者だ。お菓子? どれもめちゃくちゃ美味しかったよ。チームのみんなで分けたんだ」

 今回のパスポート取得を誰よりも喜んでくれたのは、チェコ出身の母だった。「僕を誇りに思うって言ってくれた。首相に招待されて褒めてもらったことも伝えたら、すごく感動していた」という。

 正式にチェコ国籍を得たエスカラは、9月に地元で開催される欧州選手権への出場も可能となった。グループリーグではオーストリア、ギリシャ、スペインと対峙する。「WBCで僕たちはプロのチームとも堂々と渡り合えると証明したし、大きな自信を掴んだ。地元ファンの前で実力が確かなところをみせてメダルを狙いたい。行けるんじゃないかと思うよ」と力を込めた。

構成●THE DIGEST編集部

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