大竹耕太郎(ソフトバンク→阪神)、細川成也(DeNA→中日)がオールスターに選ばれるなど、昨年オフに初めて実施された現役ドラフトはまずまずの成功を収めた。少々気が早いけれども、このオフの現役ドラフトで各球団が興味を示しそうな選手を5人ピックアップしてみよう。
▼高橋礼(ソフトバンク)
2019年に新人王を獲得したサブマリンも近年は二軍暮らしが大半。今季、ウエスタン・リーグでは7勝1敗、防御率1.16と無敵なのに一軍では5試合、11.2回で23安打を打たれて防御率10.80の惨状だ。これではもはや一軍で使うのは難しい、と判断されても仕方ないだろう。しかしながら、アンダーハンドからの独特の球筋に慣れていないセ・リーグの球団なら、通用する見込みはあると思われる。このような変則タイプのいない広島などが面白いのではないか。
▼渡邊佳明(楽天)
イースタン・リーグでは50試合に出場し、本塁打こそ1本もないが打率.358、出塁率.389はいずれも規定打席不足ながらリーグ1位相当。二軍では昨年.383、一昨年も.319と毎年高打率を残していて、打撃技術は高いものがある。だが一軍では今季40打数6安打と結果が出ておらず、出場機会は減少傾向。慢性的な貧打に悩んでいる中日やロッテが辛抱強く起用すれば、開花するかもしれない。内外野をこなす汎用性の高さを買うチームもあるはずだ。
▼清水優心(日本ハム)
21年には100試合に出場するなど正捕手に近い存在だったが、新加入選手の活躍などもあって、2年後の今では5~6番手まで格下げされてしまった。ボーンヘッドが目立ち、捕手としてのセンスに欠けているという厳しい評価もあるが、まだ27歳。パンチ力のある打撃も魅力で、埋もれるには惜しい。FA権を得ている若月健矢をオリックスが引き留められなかった場合、森友哉の控え要員として獲得し、中嶋聡監督らが捕手としての技術を教え込めば、一皮剥ける可能性はある。
▼北村拓巳(巨人)
渡邊と同様、二軍ではいいのに一軍へ上がると……というタイプの選手。とりわけ選球眼の良さが光っていて、ファームは237打席でリーグ3位の37四球、出塁率.430は1位相当だ。内野の全ポジションを守れる点も評価できるが、一軍では今季11試合しか出ていない。巨人は廣岡大志、石川慎吾をシーズン中にトレードしているので、同じ右打ちの北村を実際に現役ドラフト候補とするかどうかは微妙だ。それでも、今年28歳と年齢的にも一軍で結果が欲しいところ。山川穂高の処遇がどうなるか不透明な西武あたりで、チャンスを与えたい。
▼鍬原拓也(巨人)
巨人ではここ数年、ドラフト1位で指名した投手が一軍の主力になりきれていない例が多い。17年の1位指名で、北村とは同期生の鍬原も通算成績は5勝、防御率5点台と苦しんでいる。しかし150キロ台の速球を持ち、二軍では今季も11試合で防御率1.93、20三振を奪って与四球は4個の好成績だ。常に勝利を求められる球団にいるプレッシャーから解放されれば、本来の力が発揮できるかも。似たタイプの田中正義や池田隆英の再生に成功した日本ハムは候補の一つだ。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』(いずれも言視舎)。
▼高橋礼(ソフトバンク)
2019年に新人王を獲得したサブマリンも近年は二軍暮らしが大半。今季、ウエスタン・リーグでは7勝1敗、防御率1.16と無敵なのに一軍では5試合、11.2回で23安打を打たれて防御率10.80の惨状だ。これではもはや一軍で使うのは難しい、と判断されても仕方ないだろう。しかしながら、アンダーハンドからの独特の球筋に慣れていないセ・リーグの球団なら、通用する見込みはあると思われる。このような変則タイプのいない広島などが面白いのではないか。
▼渡邊佳明(楽天)
イースタン・リーグでは50試合に出場し、本塁打こそ1本もないが打率.358、出塁率.389はいずれも規定打席不足ながらリーグ1位相当。二軍では昨年.383、一昨年も.319と毎年高打率を残していて、打撃技術は高いものがある。だが一軍では今季40打数6安打と結果が出ておらず、出場機会は減少傾向。慢性的な貧打に悩んでいる中日やロッテが辛抱強く起用すれば、開花するかもしれない。内外野をこなす汎用性の高さを買うチームもあるはずだ。
▼清水優心(日本ハム)
21年には100試合に出場するなど正捕手に近い存在だったが、新加入選手の活躍などもあって、2年後の今では5~6番手まで格下げされてしまった。ボーンヘッドが目立ち、捕手としてのセンスに欠けているという厳しい評価もあるが、まだ27歳。パンチ力のある打撃も魅力で、埋もれるには惜しい。FA権を得ている若月健矢をオリックスが引き留められなかった場合、森友哉の控え要員として獲得し、中嶋聡監督らが捕手としての技術を教え込めば、一皮剥ける可能性はある。
▼北村拓巳(巨人)
渡邊と同様、二軍ではいいのに一軍へ上がると……というタイプの選手。とりわけ選球眼の良さが光っていて、ファームは237打席でリーグ3位の37四球、出塁率.430は1位相当だ。内野の全ポジションを守れる点も評価できるが、一軍では今季11試合しか出ていない。巨人は廣岡大志、石川慎吾をシーズン中にトレードしているので、同じ右打ちの北村を実際に現役ドラフト候補とするかどうかは微妙だ。それでも、今年28歳と年齢的にも一軍で結果が欲しいところ。山川穂高の処遇がどうなるか不透明な西武あたりで、チャンスを与えたい。
▼鍬原拓也(巨人)
巨人ではここ数年、ドラフト1位で指名した投手が一軍の主力になりきれていない例が多い。17年の1位指名で、北村とは同期生の鍬原も通算成績は5勝、防御率5点台と苦しんでいる。しかし150キロ台の速球を持ち、二軍では今季も11試合で防御率1.93、20三振を奪って与四球は4個の好成績だ。常に勝利を求められる球団にいるプレッシャーから解放されれば、本来の力が発揮できるかも。似たタイプの田中正義や池田隆英の再生に成功した日本ハムは候補の一つだ。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』(いずれも言視舎)。
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