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大谷翔平の右肘故障を受け、殿堂入りOBが野球界に鳴らす警鐘とは?「トレーニング、哲学、報酬システムが過酷な環境を望んでいる」

THE DIGEST編集部

2023.09.06

右肘の故障で手術の可能性も伝えられる中、大谷の二刀流復帰はいつになるのだろうか。(C) Getty Images

「二刀流」の是非が問われているのだろうか。

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平の右肘靱帯損傷の治療方針について、現地時間9月4日、代理人のネズ・バレロ氏が「なんらかの治療が必要」であると語ったことが、米国内で伝えられた。また、大谷は同日に出場予定だったボルチモア・オリオールズ戦の試合前の打撃練習中に右脇腹を痛め、急遽出場を回避。試合を欠場することとなった。右肘に加え、脇腹にもシーズン中に蓄積された疲労が表れた格好だ。
 
 ここ3シーズンにわたり、投手・打者での常時出場という想像を絶するプレーを続けてきた大谷。肉体への負担の大きさから、かねてより肯定的な意見だけではなかった「二刀流」に対し、米大物OBからは疑問の声が投げかけられている。

 米放送局「FOX SPORTS」では、メジャーで21年間の現役生活を送り、投手として213勝154セーブをマークし、引退後には野球殿堂入りも果たしたジョン・スモルツ氏が、大谷の肘の故障について語ったコメントを掲載した。

 現地時間9月4日に配信となったトピックの中で、スモルツ氏は現代の野球界で肘にメスを入れる選手が当たり前のように存在することに苦言を呈しており「これ(トミージョン手術)は複数回行なわれるはずの手術ではなかった」と強調している。

 さらに現役時代、自らも肘の手術を受け、復帰を果たしているスモルツ氏は「私は10年前からこう言い続けてきており、これを予測してきた。トレーニング、哲学、報酬システムがそうなることを望んでいる。つまり、注目されるためには一生懸命投げ続けなければならないのだ」と選手に対する多くの要求により、怪我をしやすい過酷な環境を作り上げたと指摘したとしている。

 また、大谷の「二刀流」にも「(打者として)毎日プレーするのはもちろんだが、彼の体があのようなトルクに耐えられるのか分からない」と言及。一方で打者としての疲労にも触れながらも「私は彼が戻ってくることや、彼がまだ投球に挑戦していることを願っている。そして、彼は非常に高いレベルでそれをやっているので、再びその両方を行える立場に立つことも願っている」とエールともとれる言葉も送っている。

 夏場以降、アクシデントによる途中交代が増えていた大谷。やはり、ファンを惹き付けてきた超人的なパフォーマンスが、自身のコンディションに大きな影響を及ぼしていたと言わざるを得ないのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
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