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大谷翔平が2度目の“満票MVP”を獲得!MLB史上初の偉業を現地メディアはどのように予想していたのか?

THE DIGEST編集部

2023.11.17

写真:Getty Images

写真:Getty Images

 大谷翔平がMLBの歴史に新たな記録を刻んだ。日本時間、11月17日朝に発表された全米野球記者協会(BBWAA)が選出するア・リーグの最優秀選手賞(MVP)を大谷翔平が受賞した。

 46本塁打、ピッチャーで9勝を記録して自身初のMVPを満票で受賞した2021年以来で、2度ともの満票での受賞はMLB史上初。日本人選手としても初めてMVPを2度獲得した選手にもなった。

 毎年MLBの記録を塗り替え続け、今年もシーズン終了前から大谷がMVPの最有力候補であると連日様々なメディアで報道されていた。現地メディアは今シーズンの大谷の活躍をどのように評価していたのか。

 大谷の大ファンで知られる『FOXスポーツ』のアナリスト、ベン・バーランダーはシーズン終了直前の9月下旬、「2度目のMVPは簡単に獲得できるだろう」と述べているが、それは何も彼だけの意見ではなかった。

 老舗スポーツ雑誌『スポーツ・イラストレイテッド』の名物記者トム・バードゥッチは、7月の時点で「MVPレースの趨勢はすでに決した」と述べるなど、早くから独走状態という認識は共有され、MLB公式サイトでも現地時間10月29日に発表した記事の中で「大谷がMVPの最有力候補というのは非常に明確」と述べていた。

 現地の記者たちをここまで納得させた理由について『ジ・アスレティック』の名物記者キース・ローいわく「打者としてすでにMVP級」と言われているように、ピッチング抜きでも超一流の成績を残していることが大きな要因となった。

 肘の怪我によって最後の1ヵ月をほぼ欠場しながら、2位に5本差をつけてのホームラン王に輝き、出塁率、長打率、OPSのすべてでリーグ1位。この時点で大谷がア・リーグ最強の打者であることに誰も異論はなかった。そこに加えて規定投球回にこそ届かなかったものの2ケタ勝利を挙げた投手・大谷としての活躍も評価対象となる。
 
 二刀流・大谷の貢献度がどれほど大きなものだったのかを理解する指標としてWARの数値を見てみよう。

 WARとは「メジャー最低レベルの選手と比較した場合、どれだけ勝利を上積みしたか」を数字で示した総合指標。大谷の場合は打者としての数値が6.0、投手が4.0で両方ともリーグ4位という好成績であり、それが二刀流なので合計されることになるので二刀流・大谷の今シーズンのWARは合計10.0。

 これは両リーグでも断トツの数字で、史上初の40本塁打70盗塁の大偉業を達成し、大谷と同じく満票でナ・リーグMVPとなったロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)のWARが8.1であることから、大谷の数値がとてつもない記録であることがわかる。
 
 MLB公式サイトでレンジャーズのビートライター(番記者)を務めるケネディ・ランドリーは「シーズンの4分の3の期間でMVPの最有力候補と証明した。(中略)打撃では偉大なシーズンを送り、投球でもキャリア屈指の成績だった。むしろ大谷を選ばない方が難しい」と打者としてだけでなく、投手としても高く評価していた。

 気になるのは史上初の2度目の満票MVPを獲得した大谷の来シーズン。2度目の右ヒジ手術を経てなお、FA市場の目玉という地位は揺らいでおらず、『ロサンゼルス・タイムズ』は「史上最高額契約にサインするだろう」と予想している。ヒジの故障前は6億ドルが基準だったが、現在は5億ドルという見方。それでも史上最高額の契約となる。だが本人にとって大切なのは金銭ではなく、「勝ちたい」という欲求を叶えることが最優先となるはず。

 来シーズンこそは個人としてのトロフィーではなく、チームでトロフィーを掲げる大谷の姿を見せてほしい。
 

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