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メジャーでの6年間。二刀流を貫きMLBを熱狂させ続ける大谷翔平のこれまでを振り返る

THE DIGEST編集部

2023.11.15

写真:GettyImages

写真:GettyImages

 レンジャーズのワールドシリーズ制覇で幕を閉じた今シーズンのMLBだが、これから始まるストーブリーグ、FAとなった大谷翔平の動向に日本だけでなく全米中が注目している。

 残留する可能性が消えたわけではないが、優勝争いのできる新天地を求めるという見方が強く、エンゼルスとの独占交渉期間が過ぎたことで争奪戦はヒートアップ。ドジャース、メッツ、マリナーズなど多くのチームが関心を寄せていると報道されている。新契約ではMLBの記録を塗り替える5億ドルを超えるとも言われており、前人未到の活躍と打ち立てた数々の記録からMLBを代表する選手となった大谷。メジャーでの6年間を振り返ってみよう。

 2017年12月にポスティング制度によって北海道日本ハムファイターズからエンゼルスへの入団を発表。打者、投手の二刀流でのMLB挑戦に日本のファンからは大きな期待とともに送り出されたが、現地アメリカでは当初厳しい評価が多かった。特に打撃面での評価は低く、開幕前のオープン戦でヒットが出なかったこともあって、「マイナーで経験を積ませるべき」「投手に専念したほうが良い」という評価のなかで開幕を迎えることになった。

 それらは決して暴論ではなく、エンゼルス加入時に23歳だった大谷は大きな可能性を持ったルーキーとして評価されていた部分もあり、「いきなり二刀流が通用するほどMLB甘くない」「経験と時間が必要だろう」という懸念は真っ当な意見だった。

 しかし、そんな前評判を自身の力で覆してみせるのが大谷翔平という選手だった。まずは4月1日に投手としてはメジャー初勝利(6回3失点)をあげると、2日後の4月3日のインディアンス戦にDH・8番打者として出場。第一打席にメジャー初ホームランを放つなど4打席3安打の活躍を見せると、そこから3戦連発ホームランを放ち打者・大谷としての能力をMLBで証明してみせた。

 幸先の良いスタートを切ったものの、6月に右肘靭帯を損傷。普通の投手なら故障者リスト入りとなるが、打者として残りの試合にも出場。途中、投手として復帰したものの登板後に新たな損傷が見つかり、シーズン後にトミージョン手術を受けた。

 2019年は前年の手術の影響から打者のみでの出場となる。日本人初となるサイクルヒットの達成など活躍したが、シーズン終盤に負傷した膝の手術を決断。9月12日の出場を最後に打率.286、18本塁打でシーズンを終えた。

 新型コロナウイルスの感染拡大によるイレギュラーな日程のシーズンとなった2020年。右肘も回復し二刀流としての復活を期したシーズンだったが、打者として打率.190、7本塁打、投手では負傷により2試合のみ登板でシーズンを終える厳しい結果となった。
 

 そして2021年。大谷が二刀流を続けることへの批判もあるなか、それらを一掃する圧倒的なプレーを見せる。このシーズンから二刀流のスタイルにも大きな変化があった。それまで投手として出場する試合では打席に立つことはなかったが、登板日の試合にも打席に立つという正真正銘の二刀流での出場することが可能となった。

 新スタイルのお披露目となった4月4日のホワイトソックス戦。まずは打者・大谷が飛距離451フィート、打球速度115マイルのホームランをライトスタンド中段に叩き込む。この映像がMLB公式動画で取り上げられると「繰り返し聞きたくなる、史上最高の打撃音」といった多くの賞賛コメントが投稿されるほど完璧で痛快な一発だった。投げては投手・大谷が5回途中まで3失点で試合を作る。勝ち星はつかなかったが先発投手としての責任を十分に果たし、当時の指揮官だったジョー・マッドン監督はこの試合で「誰もが彼なら二刀流を成し遂げると信じれるようになった」と回想した。

 7月にはオールスターに二刀流の選手として出場。大谷のためにルール変更までされることになり、先発投手として登板後、今度はDHとして大谷が打席に現れると会場は最高潮の盛り上がりを見せた。

 二刀流にとってターニングポイントとなったこのシーズン。打者として46本塁打、打率.257。投手として9勝(2敗)を記録。1918年のベーブ・ルース以来、103年ぶりとなる2ケタ勝利&2ケタ本塁打にはあと1勝届かなかったが、その年のルースを超える内容で二刀流を完遂。史上初となる投打5部門での「クインタプル100」(イニング、奪三振、安打、得点、打点)を達成して、イチロー以来、日本人二人目となるMVPを満票で獲得した。

 翌22年も二刀流を継続。打者として34本塁打を放ち、投手として自己最多の15勝(9敗)をあげた。チームは14連敗するなど苦しいシーズンでも投打で文字通り大黒柱としてエンゼルスを支え、MLB史上初の「同一シーズンでの規定打席&規定投球回のダブル達成」など記録と記憶に残る活躍を見せた。

 そして今シーズンも勢いは止まらず。打率.304、44本のホームランで日本人初の「ホームラン王」獲得という偉業を成し遂げ、投げては10勝(5敗)をあげた。今シーズンも記録更新ラッシュは止まらず、史上初「シーズン2桁勝利&40本塁打以上」、「2年連続の2桁勝利&2桁本塁打」を達成するという異次元の活躍でまたしてもMLBの記録を塗り替えた。

 いまや大谷の二刀流を疑う声はないだろう。ファンだけでなくMLBのレジェンドたちも「大谷のプレーを見ることができて幸福だ」と称賛してやまない。最初からすべてが順風満帆だったわけではない。怪我や成績不振がありながらも、二刀流という信念のために努力を積み重ねたからこそだ。

 野球に真摯に取り組む姿、他者への感謝と思いやりを忘れず敬意をもって接する姿、なにより少年のように野球を楽しむ姿もファンを夢中にさせる素晴らしい魅力であり、大谷が来シーズンどんなプレーを見せてくれるのか今から待ち遠しくて仕方がない。
 

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