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前侍J指揮官・栗山英樹が“愛弟子”大谷翔平のドジャース移籍に持論。10年約1014億円に感嘆「それだけ価値のある選手」

THE DIGEST編集部

2023.12.12

WBCで再タッグを組んだ大谷(左)と栗山前監督(右)。愛弟子の新天地について語った。写真:滝川敏之

WBCで再タッグを組んだ大谷(左)と栗山前監督(右)。愛弟子の新天地について語った。写真:滝川敏之

 愛弟子が下した決断に温かい眼差しを送っている。

 去る12月9日(現地時間)、フリーエージェントとなっていた大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が、ロサンゼルス・ドジャースと契約合意に達したと自身のインスタグラムで発表した。11日(日本時間12日)にはドジャース側もスーパースターの獲得を正式発表。10年総額7億ドル(約1014億円)というメジャー史上最高額となる破格の契約で、注目の背番号はエンジェルス時代と同じ「17」に決まった。

 大谷の恩師であり、今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では侍ジャパンの指揮官として、大谷とともに14年ぶりの世界一を掴み取った栗山英樹氏が11日、テレビ朝日の報道番組『報道ステーション』に生出演。新天地・ドジャース移籍について私見を語った。

 栗山氏はまず、「チームが決まって大型契約になったことで、ほっとした。良かったなという思い」と安堵。プロスポーツ史上最高額での契約については、「すごい額なんですけど、これだけの評価をしてもらうことに関して、めちゃくちゃ嬉しかったですし、それだけの価値のある選手なんだなと思います」と語り、最大級の評価に喜びを表した。

 そして入団決定に至るまで時間を要したことと、これほどの巨額契約については「お金にこだわったのではない」と否定する。

「(大谷は)メジャーリーグという舞台で、日本人、アジアの選手がこれだけの評価を受けるということ。野球界全体の底上げというのが頭にあって。そこは額なのかもしれませんが、評価をちゃんとしてほしいと。そこを大切にしたのかなと、僕は思います」
 
 続けてメジャーにはさまざまな契約の仕方があると断ったうえで、「チームのために、もっともっといいバッター、もっといいピッチャーを獲れる状況を作る。そうするとファンも喜ぶ、球団も喜ぶ。自分も嬉しい。自分が考えてやれるわけですから、そういう意味では発表されると思いますが、無茶苦茶(年俸が)低くなっていると思います」と言及した。

 事実、米スポーツメディア『The Athletic』によると、大谷の年俸7000万ドル(約101億5000万円)のうち6800万ドル(約98億6000万円)が後払いになることが明らかになり、来季の年俸は実質200万ドル(約2億9000万円)という計算になる。

 記事を執筆したファビアン・アラダヤ記者は「この異例の契約形態は、ドジャースにキャッシュフローとペイロールの柔軟性を提供することを意図している」と述べ、球団の財政負担を極力減らす、大谷の粋な計らいに絶賛の声を寄せている。

 新天地を決めるまでに時間はかかったが、「そういうことを含めてのトータル的な評価を受けたと。ですから、自分がやろうとしたこと、野球に真摯に向かってきたことは間違っていないのかな」と栗山氏は持論を展開。愛弟子の決断に理解を示した。

構成●THE DIGEST編集部

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