2023年のスポーツ界で印象的な出来事を『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回は今季からメジャーリーグに挑戦した吉田正尚(ボストン・レッドソックス)を取り上げる。
本拠地名物である巨大なレフトフェンス「グリーンモンスター」を越える今季第1号ホームランを放った侍戦士だったが、そのボールの行方が予想もしない騒動に発展した。
記事初掲載:2023年4月5日
――◆――◆――
本人はもちろん、球団関係者も願った“返還”は叶わなかったようだ。現地4月4日、ボストン・レッドソックスの専門サイト『Boston Strong』は、前日にメジャー初ホームランを放った吉田正尚の記念球が手元に届かなかったと報告した。
“怪物”を越える特大の一発だった。
本拠地フェンウェイ・パークで行なわれたピッツバーグ・パイレーツ戦に「4番・レフト」で先発した吉田は、初回1死二塁で迎えた第1打席に、相手投手ヨハン・オビエドと対峙。2球目に投じられた外角高めの4シームを強振すると、打球はぐんぐんと飛距離を伸ばし、同球場名物の巨大なレフトフェンス「グリーンモンスター」を越える今季第1号となった。
驚異的なパワーを証明するような一発は、嬉しいメジャー初アーチとなった。当然、チームはホームランボールを手にした少女と家族に記念球の譲渡を交渉。しかし、必至のネゴシエーションも叶わずに本人のもとには帰らなかったという。
専門サイト『Boston Strong』によれば、レッドソックスのクラブハウス・マネジャー、トム・マクラフリン氏は「マサのサイン入りのボール、バット、バッティング手袋、本人との面会など色々とオファーをした。だけど、悲しいことに我々は諦めざるをえなかったよ」と明かしたという。
ホームランボールをどうするかは手にした者の自由だ。過去には記念球がオークションに出されて高値で取引されたというケースもある。そういう“ドライさ”がアメリカには少なからず存在するのだ。
ただ、吉田のホームランボールはメジャー初アーチというメモリアルな一発だっただけに、譲渡拒否を決めた一家の判断はSNSで波紋を呼んだ。「別にいいじゃないか」「返さなきゃいけない理由はない」といった意見が相次いだ一方で、レッドソックスの同僚であるジャスティン・ターナーの妻であるコートニーさんは、「彼らは地面に落ちているボールをたまたま拾っただけ」と一喝。そして、次のように続けた。
「譲っていれば、クラブハウスを訪問できたり、色んな選手からサイン入りのボールをもらったりできたはずなのに。どうしてそこまでこだわるかがわかない。私は悲しい。もっと良い体験ができたんじゃない」
賛否両論を巻き起こした吉田の“記念球譲渡騒動”。ある意味で注目度の高さを表す出来事と言えそうだが、ボールが戻ってこなかったのは、やはり残念だ。
構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】驚愕の逆方向アーチ! 吉田正尚の“グリーンモンスター越え”の価値に米記者脚光!!「ピッチトラッキング時代で唯一の左打者だ」
本拠地名物である巨大なレフトフェンス「グリーンモンスター」を越える今季第1号ホームランを放った侍戦士だったが、そのボールの行方が予想もしない騒動に発展した。
記事初掲載:2023年4月5日
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本人はもちろん、球団関係者も願った“返還”は叶わなかったようだ。現地4月4日、ボストン・レッドソックスの専門サイト『Boston Strong』は、前日にメジャー初ホームランを放った吉田正尚の記念球が手元に届かなかったと報告した。
“怪物”を越える特大の一発だった。
本拠地フェンウェイ・パークで行なわれたピッツバーグ・パイレーツ戦に「4番・レフト」で先発した吉田は、初回1死二塁で迎えた第1打席に、相手投手ヨハン・オビエドと対峙。2球目に投じられた外角高めの4シームを強振すると、打球はぐんぐんと飛距離を伸ばし、同球場名物の巨大なレフトフェンス「グリーンモンスター」を越える今季第1号となった。
驚異的なパワーを証明するような一発は、嬉しいメジャー初アーチとなった。当然、チームはホームランボールを手にした少女と家族に記念球の譲渡を交渉。しかし、必至のネゴシエーションも叶わずに本人のもとには帰らなかったという。
専門サイト『Boston Strong』によれば、レッドソックスのクラブハウス・マネジャー、トム・マクラフリン氏は「マサのサイン入りのボール、バット、バッティング手袋、本人との面会など色々とオファーをした。だけど、悲しいことに我々は諦めざるをえなかったよ」と明かしたという。
ホームランボールをどうするかは手にした者の自由だ。過去には記念球がオークションに出されて高値で取引されたというケースもある。そういう“ドライさ”がアメリカには少なからず存在するのだ。
ただ、吉田のホームランボールはメジャー初アーチというメモリアルな一発だっただけに、譲渡拒否を決めた一家の判断はSNSで波紋を呼んだ。「別にいいじゃないか」「返さなきゃいけない理由はない」といった意見が相次いだ一方で、レッドソックスの同僚であるジャスティン・ターナーの妻であるコートニーさんは、「彼らは地面に落ちているボールをたまたま拾っただけ」と一喝。そして、次のように続けた。
「譲っていれば、クラブハウスを訪問できたり、色んな選手からサイン入りのボールをもらったりできたはずなのに。どうしてそこまでこだわるかがわかない。私は悲しい。もっと良い体験ができたんじゃない」
賛否両論を巻き起こした吉田の“記念球譲渡騒動”。ある意味で注目度の高さを表す出来事と言えそうだが、ボールが戻ってこなかったのは、やはり残念だ。
構成●THE DIGEST編集部
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