昨年も1位指名の12人中9人が大学生だったが、今年も現時点で中心となりそうなのは大学生だ。中でもすでに目玉として高い注目を集めているのが宗山塁(明治大・遊撃手)と金丸夢斗(関西大・投手)の2人だ。
【表】2024ドラフト候補ランキング1~50位一覧【1月1日時点】
宗山は全国からレベルの高い選手が集まるチームで早くからショートのレギュラーに定着すると、昨年秋までにリーグ戦通算94安打、8本塁打、打率.346と見事な成績を残している。打撃以上に評価が高いのがショートの守備で、自らも現役時代に名手として知られた井端弘和侍ジャパン監督も、現時点でプロに入っても源田壮亮(西武)の次に上手いと絶賛するほどだ。大学生ショートとしては鳥谷敬(元阪神など)以来となる大物であり、ショートのレギュラー候補が欲しい球団にとっては垂涎の存在であることは間違いない。
一方の金丸もレベルの高い関西学生リーグで圧倒的な成績を残しており、投手の目玉と言われている本格派サウスポーだ。150キロを超えるストレート以上に素晴らしいのがそのコントロールで、ほとんど四死球を与えることなく三振を量産するピッチングは安定感抜群。1年目から一軍のローテーションに入ることも期待できるだけの完成度があり、こちらも競合必至という状況だ。
この2人に続くのが投手では中村優斗(愛知工業大)、篠木健太郎(法政大)、野手では渡部聖弥(大阪商業大・外野手)、西川史礁(青山学院大・外野手)の2人だ。中村と篠木は楽に150キロを超える出力の高さを誇り、好調時は手を付けられないピッチングを披露する。安定感が増せば、1位指名の可能性は高い。渡部と西川の2人は貴重な右のスラッガータイプで、プロでも打線の中軸を任せられそうなスケールがある。守備、走塁と対応力の高さでは渡部が上回っているように見えるが、飛ばす力は西川も負けていないだけに、2人の出世争いにも注目だ。 高校生では小船翼(知徳)と川勝空人(生光学園)の本格派右腕2人が一歩リードしている状況だ。ともにすでに150キロを超えており、馬力は近年の高校生の中でも間違いなくトップクラスだ。最終学年での成長次第では、大学生投手よりも人気を集めることも十分に考えられる。
社会人は現時点で昨年の度会隆輝(ENEOS→DeNA1位)のような目玉は不在で、全体的にも少し寂しい印象は否めない。ただ昨年も津田啓史(三菱重工East→中日2位)、森田駿哉(Honda鈴鹿→巨人2位)などが最後に一気に評価を上げただけに、彼らのような存在が出てくることを期待したい。また、独立リーグにも高校、大学、社会人から有力選手が数多く進んでいるだけに、大谷龍輝(富山GRNサンダーバーズ→ロッテ2位)、椎葉剛(徳島インディゴソックス→阪神2位)などのように高い評価でプロ入りする選手が出てくる可能性もありそうだ。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
【どこよりも早い2024ドラフト候補ランキング│1~10位】1位はもちろん明治大・宗山!2、3位はいずれも関西の大学生<SLUGGER>
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