大谷翔平、山本由伸のドジャース移籍など日本人選手を中心にオフシーズンから大きな注目を集めているMLB。シーズンの行く末を占う春季キャンプが始まった。
そのキャンプの様子を株式会社ジェイ・スポーツが日本時間2月10日(土) から2月16日(金)までの計7日間、毎朝「メジャーリーグベースボール(MLB)キャンプ2024」で生中継することを発表した。
プロスポーツ史上最高金額となる10年7億ドルで大谷翔平を迎え入れただけでなく、投手ではメジャー史上最長契約(12年3億2500万ドル)で山本由伸まで加入したドジャース。ここ11年で10度の地区優勝を飾り、世界一になれなければ失敗とさえ思えるようなチームにあっての今シーズン、大谷と山本はどのように起用され、いかなる役割を求められているのだろうか。
まず打者専念のシーズンとなる大谷だが、昨年ドジャースで1・2番を打っていたムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンは、ナ・リーグMVP投票で2、3位を占めた実力者。彼らと組む大谷にかかる重圧は、これまでより明らかに軽くなる。
昨年は91四球のうち21回が敬遠だった大谷。デーブ・ロバーツ監督はベッツ、フリーマンに次ぐ3番での起用を明言しており、強打の捕手ウィル・スミスがその後の4番を打つ公算が高い。エンジェルス時代に比べると、敬遠数は激減するに違いない。
とはいえ、相手投手にすればそれでも大谷とは簡単に勝負できないし、全体的な四球数はあまり変わらないかもしれない。そして、ドジャースが大谷に求めているのは、その四球を含めた出塁能力である。昨年の大谷の出塁率は.412。ドジャースのチーム出塁率.340はリーグ2位でも、個別に見ていくと.408のベッツと.410のフリーマンが際立って高く、他にレギュラーで.360を超えた者はいなかった。
つまりドジャースとしては、大谷には走者を還すだけでなく、チャンスを作って大量得点の引き金となってもらいたいと考えているはずだ。いずれにせよ周囲の打者の能力が高いので、今後はプレッシャーが軽減された状態で打席に入れるだろう。
これに対し、山本の方にかかるプレッシャーははるかに大きい。第一に、メジャーでどのような成績を収められるかは未知数。もちろんこれだけの巨額契約を提示したのだから、その価値があると見込まれているわけだが、こればかりは実際に投げてみるまでは分からない。
そして山本の場合、すぐ結果を出さなければいけない事情がある。ドジャースの先発投手陣は、昨年規定投球回数に達した者がいなかったばかりか、100イニング以上投げた4人のうち3人が退団しているか、手術で今季は投げられない。
レイズからタイラー・グラスノーを獲得、またウォーカー・ビューラーもトミー・ジョン手術から復帰するとはいえ、実質的に山本がいきなりエース級の役目を任されることになる。これはマックス・シャーザー、ジャスティン・バーランダーの2大エースに次ぐ3番手からスタートした昨年の千賀滉大(メッツ)とはまったく異なる立ち位置だ。
山本の能力自体は疑う余地がないし、過去にトップレベルの実績を日本で収めた投手は、メジャーでも大多数が期待通りの成績を残している。しかしすでに述べたように、今のドジャースは世界一にならなければ失敗と見なされる状況。日本時代と比べて所属球団の注目度もはるかに高く、そうした別のプレッシャーにも対処しなければならない。
こうした重圧を山本が撥ね退け、大谷も期待通りの成績であれば、ドジャースは優勝確実――かと言えばそうでもない。メジャー最強打線を誇るブレーブス、一昨年のリーグ王者フィリーズなど強敵は多く、事実ここ3年間はレギュラーシーズンで100勝以上しながら、ワールドシリーズに進めなかった。
ドジャースが真に大谷と山本に求めるのはプレーオフでの活躍だ。二人ともメジャーでのポストシーズンは未経験でも、日本シリーズやWBCなど多大な重圧に晒されるイベントで頂点を極めたのだから、その点は心配無用。
ワールドシリーズを制するくらいの大仕事をやってのけて初めて、莫大な契約金額に見合った働きだと認められるシーズンになるのではないだろうか。
●文:出野哲也
現地アリゾナより話題沸騰の大谷翔平、山本由伸が所属するロサンゼルス・ドジャースの情報を中心に、ダルビッシュ有、松井裕樹が所属するサンディエゴ・パドレスや今永昇太が所属するシカゴ・カブスの情報をJ SPORTS独自映像でお届けします。PC、スマホ、タブレットで見られる「J SPORTSオンデマンド」でもLIVE配信いたします。また現地レポーターをつとめるMLBアナリストのAKI猪瀬氏による独自取材や情報にも注目です。
■「MLBキャンプ」放送概要
番組名:「野球好きMLBキャンプ in アリゾナ ~日本人選手 現地情報~」
放送日:2月10日(土)~2月16日(金)
放送時刻:午前7時~8時
放送&配信:J SPORTS 3、JSPORTS オンデマンド
さらに、日本時間3月29日(金)より開幕するMLB公式戦は大谷翔平の先発出場試合のほか、日本人選手の先発出場試合を年間で200試合以上を連日放送予定。
■「MLB中継」放送概要
番組名:
「メジャーリーグ中継2024 ~OPENING DAY~ ドジャース vs. カージナルス(3/28)」
放送日:3月29日(金)
放送時刻:午前5時5分~
放送:J SPORTS 3にて生中継
■J SPORTS総合サイト内「MLB特集サイト」
https://www.jsports.co.jp/baseball/mlb/
■J SPORTSオンデマンド「MLBキャンプ特集ページ」
https://jod.jsports.co.jp/baseball/mlbcamp
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そのキャンプの様子を株式会社ジェイ・スポーツが日本時間2月10日(土) から2月16日(金)までの計7日間、毎朝「メジャーリーグベースボール(MLB)キャンプ2024」で生中継することを発表した。
プロスポーツ史上最高金額となる10年7億ドルで大谷翔平を迎え入れただけでなく、投手ではメジャー史上最長契約(12年3億2500万ドル)で山本由伸まで加入したドジャース。ここ11年で10度の地区優勝を飾り、世界一になれなければ失敗とさえ思えるようなチームにあっての今シーズン、大谷と山本はどのように起用され、いかなる役割を求められているのだろうか。
まず打者専念のシーズンとなる大谷だが、昨年ドジャースで1・2番を打っていたムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンは、ナ・リーグMVP投票で2、3位を占めた実力者。彼らと組む大谷にかかる重圧は、これまでより明らかに軽くなる。
昨年は91四球のうち21回が敬遠だった大谷。デーブ・ロバーツ監督はベッツ、フリーマンに次ぐ3番での起用を明言しており、強打の捕手ウィル・スミスがその後の4番を打つ公算が高い。エンジェルス時代に比べると、敬遠数は激減するに違いない。
とはいえ、相手投手にすればそれでも大谷とは簡単に勝負できないし、全体的な四球数はあまり変わらないかもしれない。そして、ドジャースが大谷に求めているのは、その四球を含めた出塁能力である。昨年の大谷の出塁率は.412。ドジャースのチーム出塁率.340はリーグ2位でも、個別に見ていくと.408のベッツと.410のフリーマンが際立って高く、他にレギュラーで.360を超えた者はいなかった。
つまりドジャースとしては、大谷には走者を還すだけでなく、チャンスを作って大量得点の引き金となってもらいたいと考えているはずだ。いずれにせよ周囲の打者の能力が高いので、今後はプレッシャーが軽減された状態で打席に入れるだろう。
これに対し、山本の方にかかるプレッシャーははるかに大きい。第一に、メジャーでどのような成績を収められるかは未知数。もちろんこれだけの巨額契約を提示したのだから、その価値があると見込まれているわけだが、こればかりは実際に投げてみるまでは分からない。
そして山本の場合、すぐ結果を出さなければいけない事情がある。ドジャースの先発投手陣は、昨年規定投球回数に達した者がいなかったばかりか、100イニング以上投げた4人のうち3人が退団しているか、手術で今季は投げられない。
レイズからタイラー・グラスノーを獲得、またウォーカー・ビューラーもトミー・ジョン手術から復帰するとはいえ、実質的に山本がいきなりエース級の役目を任されることになる。これはマックス・シャーザー、ジャスティン・バーランダーの2大エースに次ぐ3番手からスタートした昨年の千賀滉大(メッツ)とはまったく異なる立ち位置だ。
山本の能力自体は疑う余地がないし、過去にトップレベルの実績を日本で収めた投手は、メジャーでも大多数が期待通りの成績を残している。しかしすでに述べたように、今のドジャースは世界一にならなければ失敗と見なされる状況。日本時代と比べて所属球団の注目度もはるかに高く、そうした別のプレッシャーにも対処しなければならない。
こうした重圧を山本が撥ね退け、大谷も期待通りの成績であれば、ドジャースは優勝確実――かと言えばそうでもない。メジャー最強打線を誇るブレーブス、一昨年のリーグ王者フィリーズなど強敵は多く、事実ここ3年間はレギュラーシーズンで100勝以上しながら、ワールドシリーズに進めなかった。
ドジャースが真に大谷と山本に求めるのはプレーオフでの活躍だ。二人ともメジャーでのポストシーズンは未経験でも、日本シリーズやWBCなど多大な重圧に晒されるイベントで頂点を極めたのだから、その点は心配無用。
ワールドシリーズを制するくらいの大仕事をやってのけて初めて、莫大な契約金額に見合った働きだと認められるシーズンになるのではないだろうか。
●文:出野哲也
現地アリゾナより話題沸騰の大谷翔平、山本由伸が所属するロサンゼルス・ドジャースの情報を中心に、ダルビッシュ有、松井裕樹が所属するサンディエゴ・パドレスや今永昇太が所属するシカゴ・カブスの情報をJ SPORTS独自映像でお届けします。PC、スマホ、タブレットで見られる「J SPORTSオンデマンド」でもLIVE配信いたします。また現地レポーターをつとめるMLBアナリストのAKI猪瀬氏による独自取材や情報にも注目です。
■「MLBキャンプ」放送概要
番組名:「野球好きMLBキャンプ in アリゾナ ~日本人選手 現地情報~」
放送日:2月10日(土)~2月16日(金)
放送時刻:午前7時~8時
放送&配信:J SPORTS 3、JSPORTS オンデマンド
さらに、日本時間3月29日(金)より開幕するMLB公式戦は大谷翔平の先発出場試合のほか、日本人選手の先発出場試合を年間で200試合以上を連日放送予定。
■「MLB中継」放送概要
番組名:
「メジャーリーグ中継2024 ~OPENING DAY~ ドジャース vs. カージナルス(3/28)」
放送日:3月29日(金)
放送時刻:午前5時5分~
放送:J SPORTS 3にて生中継
■J SPORTS総合サイト内「MLB特集サイト」
https://www.jsports.co.jp/baseball/mlb/
■J SPORTSオンデマンド「MLBキャンプ特集ページ」
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