ロサンゼルス・エンジェルスの主砲マイク・トラウトが、2024年シーズンの躍進を誓った。
米メディア『The Athletic』は3月24日、「忘れられたエンジェルス、大谷翔平がいない世界で、世間の評価を裏切る躍進を望む」という記事を配信し、そのなかでトラウトの今シーズンに懸ける意気込みを伝えている。
【動画】オープン戦で豪快な一発を放り込んだ期待の若手シャヌエル
記事はまず、球界のスーパースターが退団したエンジェルスの現状から始まった。
「アリゾナ州テンピ。この春、エンジェルスを取り巻くいつもの喧騒は目に見えて消えた。オオタニの退団でトレーニングキャンプは人気のない催事場のような雰囲気となった。まるでサーカス団が街を去った後のようだ。30人から50人の記者やカメラマンらで構成されたメディア部隊は、一転して定期的にフォローしている2~3人の記者に減り、数人のライターやフリーランスが時々立ち寄るだけとなった」
チームの開幕投手を務めるパトリック・サンドバルは、「クラブハウスを取り戻したぞ」と、去年までのキャンプと今年の違いを笑いながら答えた。ただ、同メディアは「誤解しないでほしい。オオタニがいた時のほうが、明らかにいい世界だった」とも説明。さらに、「ショウヘイがここにいない今、僕たちは忘れられているんだと思う。メディアやファン、そして球界全体は私たちに大きな期待をしていない」と取り巻く環境の変化について語った。
エンジェルスの顔であるトラウトも取材を受けた。「ショウヘイのような選手の退団は、とても大きな損失だ。彼がこれまでチームにもたらしてくれたのは、何ものにも代え難い」と語った主砲は、「しかし、私たちが健康なシーズンを過ごせるなら、一部の人たちを驚かせるかもしれない。才能ある若手もいるし、何が起こるか決して分からない」と続けた。
12年総額4億2650万ドル(約620億円)の契約の6年目となる32歳のトラウトは、怪我の影響でこの3年はレギュラーシーズン計486試合のうち237試合の出場にとどまっている。つねに足を引っ張る33歳のアンソニー・レンドーンは、2019年のオフにエンジェルスと7年総額2億4500万ドル(約360億円)で契約するも毎年のように故障。この4年間の出場試合数は52(20年)、58(21年)、47(22年)、43(23年)と完全な期待外れだ。
同メディアは、「エンジェルスが勝率5割以上でフィニッシュするには、ロン・ワシントン監督の指揮のもと、トラウトやレンドーンといった高額契約者のベテランが最高のシーズンを送る必要がある」と記しながら、「ふたりの“通常シーズン”がどんなものなのか、説明するのは難しい」と、大型契約を結んでいる両者が近年に見せた不甲斐ない姿にも言及している。
トラウトは、「23年は左手首を骨折するまで、身体の調子は近年にないほど最高だった。ただ、それをコントロールするのは難しい」とも語っているが、キャンプではスイングの修正を行なっている。この1年半で身についた“悪い癖”。しっかりとした下半身の土台を維持できず、スイングを滑らせてしまう影響で速球に追いつけず、多種多様な変化球にも手を出してしまっていたという。
これをトラウトは改善しようとしている。「頭が動きすぎている。頭が動けばボールも動いてしまう。だから春のトレーニングでは、意図してスイングの始動を遅らせている。簡単なように聞こえるかもしれないけど、これはひとつのプロセスなんだ。この1年や1年半、スイングがしっくりいっていなかったが、かつてのようないいスイング感覚を取り戻せると信じているよ」とエンジェルスの主砲は説明した。
今オフに大谷が退団した一方、エンジェルスは目立った補強を敢行していない。トラウトやレンドーンといったベテラン勢をはじめ、球界最高の若手捕手とも称される24歳のローガン・オホッピー、23歳の遊撃手ザック・ネト、22歳の一塁手ノーラン・シャヌエルといった有望株がどれだけのパフォーマンスを発揮できるのか。
同メディアは「エンジェルスが10年ぶりにプレーオフに進出するには、多くの点でうまくいく必要がある」と低い下馬評を記しながらも、「もしかしたら、幸運が訪れるかもしれない」と淡い期待を抱いている。
構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】MLB公式が現役選手にアンケート!「最高の選手は?」「誰が過小評価?」「好きな遠征先は?」「塁上で話しかけやすい選手は?」
米メディア『The Athletic』は3月24日、「忘れられたエンジェルス、大谷翔平がいない世界で、世間の評価を裏切る躍進を望む」という記事を配信し、そのなかでトラウトの今シーズンに懸ける意気込みを伝えている。
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記事はまず、球界のスーパースターが退団したエンジェルスの現状から始まった。
「アリゾナ州テンピ。この春、エンジェルスを取り巻くいつもの喧騒は目に見えて消えた。オオタニの退団でトレーニングキャンプは人気のない催事場のような雰囲気となった。まるでサーカス団が街を去った後のようだ。30人から50人の記者やカメラマンらで構成されたメディア部隊は、一転して定期的にフォローしている2~3人の記者に減り、数人のライターやフリーランスが時々立ち寄るだけとなった」
チームの開幕投手を務めるパトリック・サンドバルは、「クラブハウスを取り戻したぞ」と、去年までのキャンプと今年の違いを笑いながら答えた。ただ、同メディアは「誤解しないでほしい。オオタニがいた時のほうが、明らかにいい世界だった」とも説明。さらに、「ショウヘイがここにいない今、僕たちは忘れられているんだと思う。メディアやファン、そして球界全体は私たちに大きな期待をしていない」と取り巻く環境の変化について語った。
エンジェルスの顔であるトラウトも取材を受けた。「ショウヘイのような選手の退団は、とても大きな損失だ。彼がこれまでチームにもたらしてくれたのは、何ものにも代え難い」と語った主砲は、「しかし、私たちが健康なシーズンを過ごせるなら、一部の人たちを驚かせるかもしれない。才能ある若手もいるし、何が起こるか決して分からない」と続けた。
12年総額4億2650万ドル(約620億円)の契約の6年目となる32歳のトラウトは、怪我の影響でこの3年はレギュラーシーズン計486試合のうち237試合の出場にとどまっている。つねに足を引っ張る33歳のアンソニー・レンドーンは、2019年のオフにエンジェルスと7年総額2億4500万ドル(約360億円)で契約するも毎年のように故障。この4年間の出場試合数は52(20年)、58(21年)、47(22年)、43(23年)と完全な期待外れだ。
同メディアは、「エンジェルスが勝率5割以上でフィニッシュするには、ロン・ワシントン監督の指揮のもと、トラウトやレンドーンといった高額契約者のベテランが最高のシーズンを送る必要がある」と記しながら、「ふたりの“通常シーズン”がどんなものなのか、説明するのは難しい」と、大型契約を結んでいる両者が近年に見せた不甲斐ない姿にも言及している。
トラウトは、「23年は左手首を骨折するまで、身体の調子は近年にないほど最高だった。ただ、それをコントロールするのは難しい」とも語っているが、キャンプではスイングの修正を行なっている。この1年半で身についた“悪い癖”。しっかりとした下半身の土台を維持できず、スイングを滑らせてしまう影響で速球に追いつけず、多種多様な変化球にも手を出してしまっていたという。
これをトラウトは改善しようとしている。「頭が動きすぎている。頭が動けばボールも動いてしまう。だから春のトレーニングでは、意図してスイングの始動を遅らせている。簡単なように聞こえるかもしれないけど、これはひとつのプロセスなんだ。この1年や1年半、スイングがしっくりいっていなかったが、かつてのようないいスイング感覚を取り戻せると信じているよ」とエンジェルスの主砲は説明した。
今オフに大谷が退団した一方、エンジェルスは目立った補強を敢行していない。トラウトやレンドーンといったベテラン勢をはじめ、球界最高の若手捕手とも称される24歳のローガン・オホッピー、23歳の遊撃手ザック・ネト、22歳の一塁手ノーラン・シャヌエルといった有望株がどれだけのパフォーマンスを発揮できるのか。
同メディアは「エンジェルスが10年ぶりにプレーオフに進出するには、多くの点でうまくいく必要がある」と低い下馬評を記しながらも、「もしかしたら、幸運が訪れるかもしれない」と淡い期待を抱いている。
構成●THE DIGEST編集部
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