現地3月29日、ロサンゼルス・ドジャースは本拠地でセントルイス・カーディナルスと対戦し、6対3の勝利を飾った。2番・DHで先発出場した大谷翔平は4打数ノーヒット。チームは連勝したものの、この日のスーパースターから快音は聞かれなかった。
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前日の本拠地開幕戦となったカーディナルス戦では、3打数2安打と気を吐いた大谷。なかでも脚光を浴びたのが、1回裏無死一塁の第1打席でのプレーだ。元巨人の右腕マイコラスが投じた4球目のチェンジアップを巧みにミートしてライト線を破る。三塁を落とせると確信した大谷だったが、一塁ランナーのムーキー・ベッツが三塁でストップ。慌てて二塁に戻ったが挟まれ、無念の走塁死となってしまった。
話題を呼んだ二塁打の場面を切り取って詳報したのが、地元紙『Los Angels Times』のジャック・ハリス記者だ。「走塁ミスからみえたショウヘイ・オオタニとドジャースの距離感」と題したコラムを掲載。三塁コーチのディノ・イーベル氏やベッツ、デイブ・ロバーツ監督らのコメントを紹介した。
イーベル三塁コーチはロサンゼルス・エンゼルスに長く在籍し、2018年には1シーズンだけルーキーだった大谷と共闘している。ハリス記者は「混乱を招いたプレーの直後、オオタニは通訳のウィル・アイアトンと共にダグアウトでイーベルが帰ってくるのを待ち構えていた。7億ドルの男がすぐに問題を解消しようと示したスタンスは、イーベルにとって心地よい音楽のようだったに違いない」と前置きして、イーベル氏の言葉を記した。
「ここから何かを学ばなければならない、そんな感じだったね。彼は常に学ぶ、学びを忘れない男なんだ。私にとっても非常に有意義な出来事になったね。あらためてショウヘイの足の速さを思い知らされたのだから」
イーベル氏はなぜベッツを三塁で止めたのか。これに関しては、まだ無死であるため無理をさせなかった点、カーディナルスの右翼ジョーダン・ウォーカーが強肩である点、そして次の打席がフレディ・フリーマンであった点を理由に挙げている。
一方、ベッツは大谷と話した内容をハリス記者に明かした。驚異の1番バッターは「エンジェルスタジアムなら簡単に三塁打になるだろうし、簡単に得点できる。でもこの球場のフィールドとは広さが違う。だから今季は三塁打がそう多くならないだろうから、しっかり頭を上げておいたほうがいい、とは伝えたよ」と話しつつ、「それにしてもショウヘイは速かったね。あれでホームインできるように僕も速さを磨かなきゃ」と言って笑みを浮かべた。大谷がみせる“学びの姿勢”については「偉大なプレーヤーだからといって、普通じゃないとは限らないってことさ」と独特の言い回しで称えている。
さらにクレイトン・マッカロー一塁コーチは「ショウヘイは理路整然としていて、状況をよく把握していたよ。物事の表と裏をちゃんと理解したうえで自分の意見を伝え、次に繋げようとするんだ」と証言。ロバート・ヴァンスコヨック打撃コーチは「彼のスタンスは一貫している。とにかく対話を欠かさない。毎日彼の体調やアプローチの仕方、彼が何を求めているのかについて話している。実にシンプルなことだよ」と説明する。
なお大谷自身は試合後の囲み取材で、「ちょっと僕のほうが早めにターンしてたので、そのぶんディノ(イーベル氏)がジャッジをしたときに僕が止まる、僕が合わせないといけない」と語り、「ムーキーに合わせないといけなかったので、そこもまた確認したい。キャンプ中にそのシチュエーションがなかったので、修正したいなと思っています」と続けた。
ハリス記者は「ロバーツ監督は前通訳(水原一平氏)の存在を大谷の前に立つ“門番”のように捉えていたようだが、一連のスキャンダルを受けて彼はチームを去った」と記して、指揮官のコメントを紹介。ロバーツ監督は「ここ数日、ショウヘイがチームメイトと関わっているのをみるだけで楽しかったよ。ベンチにいるだけで魅力的だ。雑談やコーチへの質問もある。素晴らしいことだ。私はそれをみて満足しているし、ポジティブな面しかないと思う」と語っている。
そしてハリス記者は「走塁ミス後にダグアウトで起こった出来事は、オオタニがリアルタイムで問題の解決を試み、チームとの距離をどんどん縮めようとする選手であることを如実に示した。チームもまた、彼のパーソナリティへの理解を日に日に深めている」と書き添えた。
構成●THE DIGEST編集部
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前日の本拠地開幕戦となったカーディナルス戦では、3打数2安打と気を吐いた大谷。なかでも脚光を浴びたのが、1回裏無死一塁の第1打席でのプレーだ。元巨人の右腕マイコラスが投じた4球目のチェンジアップを巧みにミートしてライト線を破る。三塁を落とせると確信した大谷だったが、一塁ランナーのムーキー・ベッツが三塁でストップ。慌てて二塁に戻ったが挟まれ、無念の走塁死となってしまった。
話題を呼んだ二塁打の場面を切り取って詳報したのが、地元紙『Los Angels Times』のジャック・ハリス記者だ。「走塁ミスからみえたショウヘイ・オオタニとドジャースの距離感」と題したコラムを掲載。三塁コーチのディノ・イーベル氏やベッツ、デイブ・ロバーツ監督らのコメントを紹介した。
イーベル三塁コーチはロサンゼルス・エンゼルスに長く在籍し、2018年には1シーズンだけルーキーだった大谷と共闘している。ハリス記者は「混乱を招いたプレーの直後、オオタニは通訳のウィル・アイアトンと共にダグアウトでイーベルが帰ってくるのを待ち構えていた。7億ドルの男がすぐに問題を解消しようと示したスタンスは、イーベルにとって心地よい音楽のようだったに違いない」と前置きして、イーベル氏の言葉を記した。
「ここから何かを学ばなければならない、そんな感じだったね。彼は常に学ぶ、学びを忘れない男なんだ。私にとっても非常に有意義な出来事になったね。あらためてショウヘイの足の速さを思い知らされたのだから」
イーベル氏はなぜベッツを三塁で止めたのか。これに関しては、まだ無死であるため無理をさせなかった点、カーディナルスの右翼ジョーダン・ウォーカーが強肩である点、そして次の打席がフレディ・フリーマンであった点を理由に挙げている。
一方、ベッツは大谷と話した内容をハリス記者に明かした。驚異の1番バッターは「エンジェルスタジアムなら簡単に三塁打になるだろうし、簡単に得点できる。でもこの球場のフィールドとは広さが違う。だから今季は三塁打がそう多くならないだろうから、しっかり頭を上げておいたほうがいい、とは伝えたよ」と話しつつ、「それにしてもショウヘイは速かったね。あれでホームインできるように僕も速さを磨かなきゃ」と言って笑みを浮かべた。大谷がみせる“学びの姿勢”については「偉大なプレーヤーだからといって、普通じゃないとは限らないってことさ」と独特の言い回しで称えている。
さらにクレイトン・マッカロー一塁コーチは「ショウヘイは理路整然としていて、状況をよく把握していたよ。物事の表と裏をちゃんと理解したうえで自分の意見を伝え、次に繋げようとするんだ」と証言。ロバート・ヴァンスコヨック打撃コーチは「彼のスタンスは一貫している。とにかく対話を欠かさない。毎日彼の体調やアプローチの仕方、彼が何を求めているのかについて話している。実にシンプルなことだよ」と説明する。
なお大谷自身は試合後の囲み取材で、「ちょっと僕のほうが早めにターンしてたので、そのぶんディノ(イーベル氏)がジャッジをしたときに僕が止まる、僕が合わせないといけない」と語り、「ムーキーに合わせないといけなかったので、そこもまた確認したい。キャンプ中にそのシチュエーションがなかったので、修正したいなと思っています」と続けた。
ハリス記者は「ロバーツ監督は前通訳(水原一平氏)の存在を大谷の前に立つ“門番”のように捉えていたようだが、一連のスキャンダルを受けて彼はチームを去った」と記して、指揮官のコメントを紹介。ロバーツ監督は「ここ数日、ショウヘイがチームメイトと関わっているのをみるだけで楽しかったよ。ベンチにいるだけで魅力的だ。雑談やコーチへの質問もある。素晴らしいことだ。私はそれをみて満足しているし、ポジティブな面しかないと思う」と語っている。
そしてハリス記者は「走塁ミス後にダグアウトで起こった出来事は、オオタニがリアルタイムで問題の解決を試み、チームとの距離をどんどん縮めようとする選手であることを如実に示した。チームもまた、彼のパーソナリティへの理解を日に日に深めている」と書き添えた。
構成●THE DIGEST編集部
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