せっかくのめでたいトピックに水をさす騒動となってしまった。
現地4月3日、ロサンゼルス・ドジャースは本拠地でサンフランシスコ・ジャイアンツと対戦し、5対4の勝利を収めた。試合最大のハイライトは7回裏に訪れる。開幕から9試合目、それまで40打席もホームランを打っていなかった大谷翔平に待望の第1号が飛び出したのだ。
【PHOTO】大谷翔平の妻、田中真美子が輝いた"現役バスケ選手時代"を厳選フォトで一挙紹介! 貴重なショートカット時代も
右中間スタンドに突き刺さった記念ボールをゲットしたのは、ドジャースファンのアンバー・ローマンさんという女性だった。彼女は警備員に連れられてスタンドを後にし、記念球と交換でキャップ2つ、バット1本、そしてボール1個を進呈されたという。それぞれ大谷直筆のサインを添えてあったが、そこでの球団側とのやりとりを地元メディアがすっぱ抜いた。まさかの舞台裏が明かされ、物議を醸したのだ。
ローマンさんは「夫や一緒にいた友人の同伴は許されなかった」「それ(記念球)を取っておくつもりなら、彼(大谷)はサインをしたがらないし、僕らも応じられないと拒否された」「最初はサイン入りの帽子2つだけだった」などと証言。「済んだことだから仕方ないよね。正直、後悔はしていない。ただドジャースファンとして、もう少し温かい対応を期待していたけど、その場で決断しないといけなかったのは本当に悲しかった」と、球団側の対応に不快感を示した。
そして彼女は、直接大谷に会えないかと嘆願したが、受け入れられなかったという。そこを注視したのが『The Atletic』のサム・ブラム記者だ。ローマンさんを直撃した同記者は自身のX(旧ツイッター)で「オオタニは『ファンと話して取り戻せた』と言ったが、ファンに会ってはいなかったのだ」と伝え、これが騒動の引き金となってしまう。「オオタニは嘘をついた」と騒ぎ立てる現地メディアもあったほどだ。
実際はどうだったのか。試合後の会見で大谷は日本語で、「戻ってファンの人と話して、頂けるということだったので。僕にとってはすごく特別なボールなので、本当にありがたいなと思いました」と話した。大谷のコメントに主語はなく、やや曖昧だったのは確かだが、そこで最初の一文をウィル・アイアトン通訳は「I was able to talk to the fan.(僕はファンと話せた) And I was able to get it back.(そしてボールを取り戻せた)」と訳した。ブラム記者が「オオタニは『ファンと話して取り戻せた』と言った」とXに記したのはここに起因する。
長く大谷の通訳を務めていた水原一平氏が違法賭博疑惑に関連してチームを解雇され、急きょデータ分析担当のアイアトン氏がピンチヒッターを務めている。大谷の言葉を大勢の報道陣の前で的確かつ迅速に訳す難しさが、あらためて浮き彫りとなった格好だ。
ロサンゼルスの地元紙『Los Angels Times』の名物記者で、日本語が堪能なディラン・ヘルナンデス記者はX上で「オオタニが何を話したかについて、日本語を話さない人びとが議論している」と書き出し、「はっきり言っておくと、この混乱はウィル・アイアトンのせいではない。オオタニは厳密には自分がファンに話しかけたとは言っていないが、あたかもそうであるかのような言い方をした。不明瞭だったのだ」と独自の見解を示している。
構成●THE DIGEST編集部
【画像】記念ボールを手に微笑むローマンさんと、球団からもらった返礼品の実画像
現地4月3日、ロサンゼルス・ドジャースは本拠地でサンフランシスコ・ジャイアンツと対戦し、5対4の勝利を収めた。試合最大のハイライトは7回裏に訪れる。開幕から9試合目、それまで40打席もホームランを打っていなかった大谷翔平に待望の第1号が飛び出したのだ。
【PHOTO】大谷翔平の妻、田中真美子が輝いた"現役バスケ選手時代"を厳選フォトで一挙紹介! 貴重なショートカット時代も
右中間スタンドに突き刺さった記念ボールをゲットしたのは、ドジャースファンのアンバー・ローマンさんという女性だった。彼女は警備員に連れられてスタンドを後にし、記念球と交換でキャップ2つ、バット1本、そしてボール1個を進呈されたという。それぞれ大谷直筆のサインを添えてあったが、そこでの球団側とのやりとりを地元メディアがすっぱ抜いた。まさかの舞台裏が明かされ、物議を醸したのだ。
ローマンさんは「夫や一緒にいた友人の同伴は許されなかった」「それ(記念球)を取っておくつもりなら、彼(大谷)はサインをしたがらないし、僕らも応じられないと拒否された」「最初はサイン入りの帽子2つだけだった」などと証言。「済んだことだから仕方ないよね。正直、後悔はしていない。ただドジャースファンとして、もう少し温かい対応を期待していたけど、その場で決断しないといけなかったのは本当に悲しかった」と、球団側の対応に不快感を示した。
そして彼女は、直接大谷に会えないかと嘆願したが、受け入れられなかったという。そこを注視したのが『The Atletic』のサム・ブラム記者だ。ローマンさんを直撃した同記者は自身のX(旧ツイッター)で「オオタニは『ファンと話して取り戻せた』と言ったが、ファンに会ってはいなかったのだ」と伝え、これが騒動の引き金となってしまう。「オオタニは嘘をついた」と騒ぎ立てる現地メディアもあったほどだ。
実際はどうだったのか。試合後の会見で大谷は日本語で、「戻ってファンの人と話して、頂けるということだったので。僕にとってはすごく特別なボールなので、本当にありがたいなと思いました」と話した。大谷のコメントに主語はなく、やや曖昧だったのは確かだが、そこで最初の一文をウィル・アイアトン通訳は「I was able to talk to the fan.(僕はファンと話せた) And I was able to get it back.(そしてボールを取り戻せた)」と訳した。ブラム記者が「オオタニは『ファンと話して取り戻せた』と言った」とXに記したのはここに起因する。
長く大谷の通訳を務めていた水原一平氏が違法賭博疑惑に関連してチームを解雇され、急きょデータ分析担当のアイアトン氏がピンチヒッターを務めている。大谷の言葉を大勢の報道陣の前で的確かつ迅速に訳す難しさが、あらためて浮き彫りとなった格好だ。
ロサンゼルスの地元紙『Los Angels Times』の名物記者で、日本語が堪能なディラン・ヘルナンデス記者はX上で「オオタニが何を話したかについて、日本語を話さない人びとが議論している」と書き出し、「はっきり言っておくと、この混乱はウィル・アイアトンのせいではない。オオタニは厳密には自分がファンに話しかけたとは言っていないが、あたかもそうであるかのような言い方をした。不明瞭だったのだ」と独自の見解を示している。
構成●THE DIGEST編集部
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